【インド進出日系企業向け!】インドでのローカルスタッフ採用の理解のための最重要ポイント3選!

インドは若い世代の人口が多く、労働力は非常に豊富ではありますが、ローカルスタッフの採用活動おいては、日本との文化的な違いやインド全土で採用活動が活況になっていることもあり、優秀なスタッフの採用で苦労している日系企業の方も多いかと思います。


そこで今回は、インド人スタッフを雇用する際にポイントとなる点をまとめていきます。

インド人スタッフが仕事や会社に求めるもの、転職を考える主な理由について理解して頂き、ぜひ今後の採用活動の参考にして頂ければと思います。

■ポイント① インド人スタッフが転職を考える理由は?

まずは、そもそもローカルのインド人求職者の方々は何を目的に転職活動をしているかをまとめていきます。

全ての求職者の方にあてはまる訳ではないですが、ぜひ、ご参考にして頂ければと思います。


・ローカルスタッフが転職を考える理由トップ3

①より高い給与・福利厚生のため

②現在の職場でキャリアップ/昇格、学びの機会が少ないため

③ワークライフバランスの向上のため

(弊社に登録している求職者へのアンケート調査結果より)



①より高い給与・福利厚生のため

インドにおいては、転職活動をする一番の目的は、”転職を通じて給与を上げたい”、という背景の方が多いです。

定期昇給でも約10%前後の昇給が毎年あるのが一般的ではありますが、転職の際には基本的にそれ以上の20%~30%の昇給を希望するケースがほとんどです。

特に若年層については、そもそも絶対的に人口が多く、能力やスキルで差別化が難しい事もあり、新卒~20代後半ごろまでは比較的給与が低いケースが多いです。そのため、年間10%の昇給では満足せず、2,3年毎に転職を繰り返して、転職を通して年収を上げていく若手の候補者も多いです。


そのため、20代の若手層の優秀な人材の定着率を高めるためには、平均的な10%前後の昇給では定着してもらうが難しいケースが多く、15%~20%程度の年次昇給を与える事も必要なケースがあります。

②現在の職場でキャリアップ/昇格、学びの機会が少ないため

インドのローカル人材は、日本に比べても、新たなスキルを身に着ける事、またスキルアップを通して給与を上げる事に非常に積極的です。そのため、現職企業において新たな学びが無い、スキルアップのチャンスが無い、昇格のチャンスが少ないような場合には、会社を変え、新たな学びの機会を求める方が多いです。

特に優秀なスタッフほど、向上心が強く、新たな学びの機会を求めるケースが多いので、定着率を高めるためには定期的に新たなミッションを与えて、新たな学びとチャレンジの機会を社内で設けてあげることが望ましいです。


③ワークライフバランスの向上のため

ワークライフバランスを求める声は年々増加傾向で、弊社での求職者向けのアンケートでも初めて今年ベスト3にランクインしました。


”ワークライフバランス”とは、具体的には、残業が多くない事、土日休みである事、通勤に時間がかかりすぎない事、在宅勤務の制度がある事、有給が取り易い事等が要素として挙げられます。また、近年は、実際にこのワークライフバランスを理由に、離職が増えているケース、新規採用が難しくなっているケースも多くみられるようになってきています。


■ポイント②:優秀なローカル人材の定着率アップのために


ローカルの従業員の方が転職を考える主な背景・目的は上記の3点になりますので、ローカルスタッフの定着率に課題を持っている場合には、下記のような3点を意識して仕事のアサインやマネジメントをすることも効果的です。

・貢献度や能力に見合った給与アップの機会を与える

・新たな学びの機会や昇格のチャンスを定期的に与える

・ワークライフバランスを整える



・貢献度や能力に見合った給与アップの機会を与える


これまで多くの日系企業では、従業員間で極端に評価や昇給率に差を設ける事をしてこなかった企業が多いかと思いますが、最近では長期で就業して欲しい従業員には、平均値の倍近い昇給を与える企業も増えてきています。


これは、そもそもインド全体で採用が活況になっており、従業員の定着が難しくなっている事、また、一般的に優秀な層ほど転職・ヘッドハンティングの対象になりやすいという背景もあります。



・新た学びや昇格の機会を与える


優秀で向上心の強い従業員ほど、新たな学びの機会を求め傾向があるため、転職を防ぐためには社内で定期的に新たなミッションを与えて、新たな学びの機会を社内で意図的に作ってあげることが望ましいです。


また、インド人スタッフの多くは、昇給や新たな学びに加えて、昇格も自身のキャリアアップのために重要視するので、優秀で長期で働いてほしいスタッフについては、定期的に昇格の機会を与えてあげる事も重要です。


昇格が定期的に与えやすいように、役職を日本以上に細分化して、数年おきに昇格の機会を与えている企業も多いです。


〇Sales職の昇格の例:

Sales Assistant → Sales Executive →Sales Sr. Executive →Sales Assistant Manager→ Sales Deputy Manager →Sales Manager → Sales Sr. Manager



・ワークライフバランスを整える

特に工場エリアの製造業の職場において、ワークライフバランスを理由に退職者が増えたり、採用の難易度が上がっている事例が近年多くみられるようになりました。具体的な対応策としては、下記のような事例があります。

‐ 1日の稼働時間を30分多くして、隔週土曜日を休みにする。

‐ ホワイトカラー職に限り、土曜日を休みにする。

‐ 市内にも事務所を設けて、営業系や事務系の職種のメンバーの工場通勤の負担を下げる。
‐ 営業系、事務系の職種に限り在宅勤務をハイブリッド(週1,2日)で導入する。



■ポイント③:インド人スタッフが仕事選びで重要視するポイントについて



それでは次に、ローカルの求職者の方々が転職活動を進める上で、会社選びの際に重要視する基準について説明したいと思います。求職者の方と面接をして頂く際に、どういった点をアピールすべきかの参考にして頂ければと思います。


高い賃金・充実した福利厚生

まず、インド人多くはジョブ型雇用が一般的であり、大学で学んだこと、社会人でスタートした職種も一貫しており、職種や場合によっては業界を変えずに転職する事が一般的です。



転職の目的の多くは、より高い給与を払ってくれる会社を探すためという方が多いです。若い層の人口が多いインドにおいては、新卒の際の給与は相対的に低く、社内での昇格や昇進、または同業界・同職種からのヘッドハンティング形式の転職で自身の給与を上げていくという方が多いです。


一般的には、転職の際には現職企業の給与から30%程度は給与アップをしたいという希望の方が多いです。



・雇用の安定性

インドにおいてはホワイトカラー職の解雇はそこまでハードルが高くなく、試用期間中や試用期間終了後でも会社都合で解雇になるケースがあります。また、組織規模の大きな会社でも破産や事業をクローズ、売却するようなケースも多々あるため、雇用の安定性についても転職先選びの際には重要な要素となります。


日本においては大企業であっても、インド法人の組織規模・事業規模が大きくない場合、またインド法人立ち上げ段階、駐在員事務所等は雇用の安定性について懸念も持たれるケースが多いです。

特に営業系の職種については、立ち上げすぐに結果を出すのが難しいケースが多いため、インド人スタッフとしても、“この商品は市場で受け入れられるのか”、“競争優位性は何か”、“自身のターゲットと評価はどのように設定されるのか”、等求人票に載っている情報以上の情報を面接の際に逆に質問される場合が多いです。



その際に十分に質問に回答できない場合、“この会社に入って活躍できる自信がない”、“雇用の安定性が高くない職場に感じた”、というような印象を与えてしまい、内定を出した場合でも辞退に繋がってしまうもあります。




明確なキャリアパス

インドにおいては、基本的には転職ありきで自身のキャリアアップを考えている方が多く、今後のキャリアップの際に評価されうる経験が積めそうか、という点も転職の際に重要なポイントになります。



例えば、現職ではスタッフレベルで勤務している方が、転職先ではマネージャー職(もし部下がいなかったとしても)に就ける場合、さらに今後の転職の際にマネージャー職以上の職種でのキャリアップのチャンスが見込めるため、多少希望の給与に満たなったとしても転職してもらえるケースが多いです。



その他、自身が現職で経験していない領域にもかかわるチャンスがあるような場合には、昇格のチャンスがなかったとしても新たな学びの機会を魅力として興味を持ってもらえる事もあります。


■ まとめ

その他、転職の際に重要視する要素では、“会社の知名度・ステータス”もインド人スタッフが会社選びの際に重要視するポイントですが、残念ながら多くの日系企業は(日本では大手企業の会社でも)この“知名度”においては、インドでは強みを発揮できません。

インド人の方々にとっては、多くの場合欧米系企業やインド系の地場の大手企業の方が地名度が高く、同じ外資系企業でも日系企業の多くはそこまで知名度がない状況です。




・地名度で劣る日系企業がインドで採用成功するためにできる事

そのため、日系企業がインドにおいて採用活動を進める際には、インドにおける知名度がない分、どのような新たな学びの機会を与えられるのか、社内でのキャリアップのチャンスがあるのか、等のキャリアパスを明確伝えて求職者のモチベーションを高める事が重要になります。


また、入社後の具体的なミッションや評価方法、会社の事業計画やビジョン等を伝えたうえで、雇用の安定性の部分で求職者が不安を抱かないようにコミュニケーションを取って頂くのが望ましいです。


転職の目的は給与アップが一番の理由ではあるので、”どれくらい給与を上げられるか”、が一番大きな要素になる事は間違いないですが、最後の入社条件交渉の際にお金面だけの話し合いにならないためにも、面接を通していかに求職者の入社へのモチベーションを高められるかも重要なポイントになります。


弊社ではインドにおいて、新卒採用から役員クラスの採用まで全インドでサポートが可能です。

インドにおいて、ローカルスタッフのご採用活動を進める際にはお気軽にご連絡を頂ければと思います。

  採用問い合わせ先:bd.dbs_india@rgf-hragent.asia

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