上海の月餅は肉入り!?行列が出来る鮮肉月餅。
「月餅」と聞いて思い浮かぶのは、
中華街でよく売っている、甘い餡が入ったあの月餅ではないでしょうか?
しかし、ここ上海では「鮮肉月餅」と呼ばれる、お肉入りの月餅が人気。
有名なお店では、行列が出来て一人何十個と買っていく姿も。
今回は、そんな上海の月餅についてご紹介します!
月餅もいろいろ。甘い月餅と肉入り月餅。
日本でよく目にするのは、この月餅。
茶色で、凸凹した模様がしっかりついた、しっとり甘い「皮」と甘い餡。
蓮の実餡や、ナッツ、塩漬けの卵黄が入ってるなど、その種類はじつに豊富。
じつはこれ、「広東式月餅(広式月餅)」と呼ばれる、広東地方が発祥の月餅です。
上海でも、この月餅を目にすることはありますが、
もっと人気が高いのは「鮮肉月餅」と呼ばれる肉入りの月餅です。
「あの甘い皮に、肉は合わなさそう・・・。」
と思われるかもしれませんが、
鮮肉月餅は、その見た目からして広東式月餅とは全く違います。
見た目はこんな感じ。
子供のこぶし位のサイズで、おまんじゅうのような形をしています。
白くサクサクともろい「皮」、上部に赤いマークが入っているのが特徴です。
中には、味付け調理されたお肉が入っています。
簡単に言ってしまうと、ミートパイ。
欧米のミートパイよりも、サクサクポロポロとした食感のパイ生地で作られています。
お店によってその具材も様々で、お肉と一緒に、海老や松茸が入っているものもあります。
これは、蘇州式月餅と呼ばれる種類の月餅で、「皮」の違いが特徴的です。
もともと、月餅は「丸い甘いお菓子」とされるので、
このパイ生地で、中に甘い餡が入った月餅もあります。
また、この季節になると、
上海の三大寺の1つである「静安寺」でも月餅が販売されて行列ができます。
お寺で販売されているものは、豆などを使ったベジタリアン仕様になっています。
そもそも月餅とは??
日本の中華街では、1年中季節に関係なく購入のできる月餅ですが、
本場の中国では、季節もの。
日本でいうと、桜餅や柏餅のような季節限定の存在です。
そんな月餅の季節は秋。
中秋節を祝うときに、欠かせない食べ物です。
中秋節とは、旧暦の8月15日をお祝いする祝日。
春節(旧暦1月1日)、端午節(旧暦5月5日)と並ぶ、中国の大切な祝日です。
日本にも、ススキと月見団子を飾り、中秋の名月を愛でるお月見の風習がありますが、
これは、平安時代に中国から伝わったものとも言われています。
中国の中秋節では、
満月を「欠けるところのない完璧なもの」の象徴とし、家庭円満や秋の豊作を祝っています。
月餅は、この満月をかたどっており、中秋節に欠かせない食べ物です。
現在でも中秋節には、家族が集まり食卓を囲み、一家団欒する大切な日となっています。
また、家族以外にも、お世話になった人や大切な人に、月餅を贈る風習もあります。
現代風の変わり種。スターバックスやハーゲンダッツの月餅。
昔ながらの月餅以外にも、現代風の月餅も販売されています。
有名なものだと、
コーヒーチェーン店で有名なスターバックスや、アイスクリームでおなじみのハーゲンダッツの月餅。
スターバックスは、コーヒー味や抹茶味など、スターバックスらしさを出したもの。
月餅の模様も、トレードマークの人魚になっているオリジナルです。
また、広告にも「あなたを想う。お互いに集まろう。」という意味の言葉が書かれています。
また、ハーゲンダッツでは、アイスクリームで作られた月餅が販売されます。
また、有名なホテルでも、オリジナルの月餅が作られています。
ちなみに・・・
これらの月餅は、贈答用に作られているため、お値段もなかなかです。
まとめ
今回は上海の月餅について、ご紹介しました。
中秋節には、まだ時間はありますが、8月に入った頃から上海では月餅の広告が始まります。
(今年の中秋節は2014年10月4日なので、約2ヶ月も前から始まります!)
月餅を買い求める行列はまだ見ませんが、これから徐々に盛り上がっていくことでしょう。
日本では、あまりメジャーではない「鮮肉月餅」。
食べてみると、なかなか美味しくてオススメです。
もし見掛けたら、是非試してみて下さい!
出典
■サイト名 横浜中華街のサイト
URL:http://www.chinatown.or.jp/guide/mooncake/
■サイト名 国立天文台 中秋の名月(2017年10月)
URL:https://www.nao.ac.jp/astro/sky/2017/10-topics02.html
■サイト名 上海人のサイト
URL:http://shanghai-zine.com/topics/1307
※上記の記事は、取材時点(2017年08月末)の情報を元に作成しております。
現在の現地事情とは、記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承下さい。