知っているようで知らない タイの今【2017】
人口と少子高齢化、経済成長、仏教が根付く生活文化、親日国としてのタイ。
タイの今を最新のデータを使ってご紹介します!!
じつは少子高齢化傾向にあるタイ
子供が多く、活気溢れるイメージが強い東南アジアですが、じつは、タイは少子高齢化の傾向にあります。
2014年~2016年のデータによれば、タイの人口は約6800万人と、ほぼ横ばいです。
また、出生率をみると1.4(2013年)と日本の1.42(2014年)よりも低い数値です。
特に、バンコクでは0.8(2010年)で、東京の1.24(2015年)と比べてもかなり低い結果となっています。
この背景には、タイ人女性の高学歴化、社会進出が進み、独身を好む傾向が強くなっていると考えられています。
また、人口ピラミッドを見ても、若年層が少ないことが分かります。
2017年1月の閣議で、定年退職の年齢が満60歳に引き上げられることが決まりました。
タイでは、今まで55歳前後でリタイアする人が多く、
定年退職の年齢引き上げは、人口の高齢化による労働人口の減少によるものと考えられます。
経済成長を続けるタイ
過去の景気の低迷をみても、影響は一時的なものに留まり、回復を繰り返しています。
景気低迷を跳ね返す強さがタイにあることがわかります。
2014年の政治混乱により、急速な経済成長は衰え、景気が低迷していたタイですが、
その影響は長引かないと考えています。
2017年1月に世界銀行が発表した世界経済見通しでも、
タイGDPの伸び率を、2016年2%、2017年2.4%、2018年2.7%と予想しており、
今後も緩やかな成長が続くことが予想されています。
外国資本を積極的に導入することにより経済発展を遂げきたタイ、
他国からの投資と自国の強さを併せ持ち、今後もますます発展していくことでしょう。
多くの男性が出家を経験する 仏教国タイ
タイは国民の約95%が仏教徒で、信仰心が厚いことでも有名です。
主に信仰される仏教は、上部座仏教(じょうぶざぶっきょう)といい、
日本で信仰されている大乗仏教とは、考え方が異なります。
タイで信仰される上部座仏教では、
「出家して修行を積んだ僧侶だけが悟りを開き、救われる」と考えられています。
祈ることで救われる大乗仏教とは異なり、
上部座仏教では、僧侶以外の人が救われるには、「功徳を積む」必要があります。
- 寺を建てる(寺の修繕費などを寄付する)
- 喜捨する(僧侶や貧しい人に対して施しをする=喜んで捨てる)
- 出家する(男性のみが出家出来る)
- 捕まった鳥や魚を逃がしてあげる(逃がしてあげる用の鳥や魚が売っています)
これらは、功徳を積むための行為として、タイの生活に根付いています。
「出家」というと、生涯を捧げるイメージがありますが、タイの仏教では、短期出家も可能です。
短期出家とは、辞めることを前提にした短期間のみの出家をさし、何回でも出家することが出来ます。
その期間は、数日~半年と様々です。
また、息子が出家することは、最大の親孝行とされています。
これは、女性は出家出来ない為、息子が出家することで、家族全員が徳を積めるからです。
その為、タイ人男性の多くは、一度は出家を経験しています。
タイは親日国!日本ブーム到来中!
アジア各国で日本ブームが起きている昨今ですが、
タイでの日本ブームの加熱は他国と比較しても、頭1つ抜きんでているものがあります。
ジャパンブランド調査2016では、『日本に対する好意度』でタイが一位を獲得しています。
世界の国々の中でも、タイ人が一番日本が好きであることが分かります。
タイ人訪日観光客の増加が度々ニュースにもなっていますが、
日本政府観光局の統計データによると、
2012年約26万人から2016年約90万人と約3.5倍に伸びています。
また、日本に訪れるだけでなく、日本語を学ぶタイ人も急増しています。
海外での日本語学習者を調査する日本語教育機関調査では、
2015度調査では、日本語学習者は約17万人と2012年度の調査に比べ34%増となっています。
親日度が高く、日本語が使える人材が増えることは、
日系企業がタイで事業を展開する際にも、ますますプラスに働くことでしょう!!
まとめ
日本の対タイ直接投資も依然活発な動きを見せており、
今後も、タイへの日系企業の進出は加速するでしょう。
古き伝統を守りつつも、新しいものを取り入れ発展を続けるタイ。
今後も目を離せません!
<出典>
・日本政府観光局
http://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/visitor_trends/
・電通 ジャパンブランド調査
http://www.dentsu.co.jp/news/release/2016/0726-008990.html
・内閣府サイト 世界各国の出生率
http://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/data/sekai-shusshou.html
・世界銀行 プレスリリース 2017年1月10日
・newsclip.be タイ経済、2016-2018年も低成長 世銀見通し
http://www.newsclip.be/article/2016/01/08/27968.html
・国際交流基金 2015年度「海外日本語教育機関調査(結果速報)」
http://www.jpf.go.jp/j/about/press/2016/057.html
・ Population Pyramid.net
http://www.populationpyramid.net/thailand/2017/
・Trailing and Projecting the Real Population of Bangkok to 2030
http://www.ccsenet.org/journal/index.php/jsd/article/viewFile/52685/29408
※上記の記事は、取材時点(2017年03月末)の情報を元に作成しております。
現在の現地事情とは、記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承下さい。