タイに進出する日系企業が増加中!!タイと日本は相思相愛??
海外事業展開先として有望なタイ。
日系企業の進出状況、タイ人から見た日本人や日系企業に対するイメージをご紹介します。
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海外事業を拡大させたい国として、常に人気が高いタイ。
JETROが行なった「2016年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」によると、
現在の海外事業進出先としても、今後、海外事業の拡大を図りたい国としても、
日系企業からタイの人気が非常に高いことが分かります。
現在、海外に拠点を持つ企業 1,571 社の拠点所在地は、
中国が 56.2%(883 社)で1位として最も多く、
2位はタイ 35.2%(553 社)、3位が米国 30.0%(471 社)と続いています。
(同一国に複数の販売拠点があったとしても拠点数は1つとカウント。)
「今後さらに海外進出の拡大を図る」企業については、
2011年より、タイは常に2位を獲得しており、
何年にもわたり、海外事業の拡大を図りたい国として 人気が高いことが分かります。
また、タイで拡大を図りたい機能は多種にわたり、
「販売」「生産」「研究開発」「地域統括」「物流」、全ての分野で上位を獲得しています。
こんなに増えている!タイへの日系企業の進出数。
JETROが行なった「タイ日系企業進出動向調査 2014 年」によると、
タイ商務省事業開発局が管理する企業データベースに登録されている日系企業は、8,890 社。
そのうち、今回の調査で活動が確認できた日系企業数は 4,567 社。
2008年に実施された前回の調査では、活動が確認されたのは、3,884社。
前回に比べ 683 社増加していることが分かりました。
(ちなみに、
タイ商務省事業開発局が管理する企業データベースに登録された日系企業数を比較すると、
6年前6,773社から約2100社増加している。)
タイに進出する日系企業。その内訳は?
業種別の構成比をみると、
「製造業」が全体の 47.0%、「サービス業」が 49.5%を占めています。
1990年代までは、製造業の進出がサービス業を上回っていましたが、
直近の 2010-2014年では、製造業の進出数が 334 社に対し、
サービス業での進出数は 530 社となり、
サービス業の進出が顕著になっていることが分かります。
サービス業の中でも、
「卸小売、小売業」1,082 社、「専門サービス業」196 社、「運輸業・郵便業」176社の順に多くなっており、
直近の 2010-2014 年では、
「専門サービス業」(53 社 コンサルタント、会計・法律事務所、職業紹介など)、
「飲食店」(35 社)、「運輸業・郵便業」(33 社)と、増加しています。
進出が増えているサービス業。
その業務形態も多種にわたることが分かります。
タイ人から見た日本人と日系企業ってどんなイメージ
以前の記事でも紹介した通り、タイは親日国で、今日本ブームが起きています。
(以前の記事はこちらをCheck → 知っているようで知らない タイの今【2017】)
そのブームは、
日本のアニメや漫画など文化面や旅行先としての人気だけでなく、
日本語学習者の増加や、タイ人の日本・日系企業への就労希望者の増加にまで及んでいます。
インターンシップへの参加も意欲的で、1名の募集枠に対して、何十倍もの応募があったことも。
タイの名門校 タマサート大学が行なった調査によると、
タイ人から見た日本人は、
「真面目」「几帳面」「礼儀正しい」「忍耐強い」「知的」「行動的」などのイメージがあるほどです。
また、「仕事に関する視点」については、
タイ人と日本人では、次のような違いがあると分かりました。
・「個人的な人間関係」と「規則・秩序」では、
タイ人は「規則・秩序」重きを置いているが、日本人は「個人的な人間関係」に重きを置いている。
・タイ人は、仕事で時間に縛られることは、大変なストレスと感じているが、
日本人は、タイ人ほどストレスを感じていない。
・タイ人は、仕事上、自分がやると決断したことに、反対者がいると、
あまり成功のために最善を尽くしたいと、思わなくなるが、
日本人は、反対者がいても最善を尽くしたいと思う。
・タイ人は個人よりグループで一緒に仕事をすることを好む。
これらの結果は、日本人の仕事観とタイ人の仕事観の違いを、端的に表している結果だなと感じます(笑)
「タイ人は子供っぽいところがある。」という声を聞いたことがありますが、
「みんなで作業することを好み、誰かに反対されるとやる気を失くしてしまう。」
そんなところに、良くも悪くも、子供のような純粋さ・無邪気さを感じるのかもしれません。
まとめ
外国によるタイ内直接投資額(2014年)は、日本が35%とトップです。
日本のタイへの直接投資額は、2位のシンガポールの2倍以上となっており、
タイ経済に占める日本の割合が大きいことが分かります。
また、政治混乱や2011年の大洪水被害による操業停止などの、
マイナス要因があったにも関わらず、日本のタイへの投資額は増加の傾向にあり、
日本企業にとって、タイが投資先として根強い人気であることを表しています。
日本企業に海外ビジネスの課題を尋ねたところ、
「海外ビジネスを担う人材」(55.3%)と回答した企業の割合が最も多い結果となりました。
(JETRO「2016年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」)
海外ビジネスを担う人材として、
現地のことをよく知り、日本語を話せる人材は、日系企業にとって大変貴重な人材です。
日系企業に就職したいタイ人と、日本語を話せるタイ人を雇用したい日系企業は、
相思相愛の関係と言えるでしょう!
出典
・JETRO「タイ日系企業進出動向調査 2014 年」
https://www.jetro.go.jp/world/reports/2015/01/fe4bde99ff9eb75e.html
・JETRO「2016年度日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」
https://www.jetro.go.jp/world/reports/2017/01/5b57525465154f73.html
・日本総研 タイに集積する日本企業
https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/researchfocus/pdf/8613.pdf
・タイ人と日本人 互いのものの考え方の比較 タマサート大学
http://www.kc.tsukuba.ac.jp/assets/files/120120.pdf
免責文言
※上記の記事は、取材時点(2017年04月末)の情報を元に作成しております。
現在の現地事情とは、記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承下さい。