【カシミール旅行】地上の楽園!?インド人おすすめの旅先に行ってみた!

はじめに

皆さんこんにちは!RGFインドです。

みなさんは「カシミール」と聞くと何を思い浮かべるでしょうか?

Googleで「カシミール」と日本語検索してみると、検索結果は上から、「カシミール紛争」、「カシミール問題」、「カシミール 観光」と続きます。

私もインドに来るまでは、カシミールといえばカシミール紛争の印象が根強く(歴史や時事問題として学校の授業で取り上げられることも影響しているかもしれません)、国境問題、宗教問題等、複雑な問題を抱えているエリアという認識にとどまっていました。

インドに来て驚いたのは、カシミールが「Heaven of Earth(地上の楽園)」の異名を持ち、旅行先として高い人気を博していることです!日本のように四季を持ち、季節ごとに変わる美しい自然が多くの観光客を引き寄せているようです。イメージとしては、日本でいう美ヶ原高原や上高地といったところでしょうか。(「カシミールはインドのアルプスだ」という声も聴きましたが。笑)春にはサフランやチューリップの花が咲き、夏には緑豊かな山々、清らかな湖、秋には紅葉、冬には雪を頂いた高山など、四季折々の景色を楽しむことができます。

今回は念願のカシミール旅行に行ってきましたので、その美しい自然や魅力をご紹介したいと思います!

 

カシミールの歴史

本題に移る前に、せっかく旅行に行くのであれば、歴史や文化的な背景も知っている方がより深くカシミールを楽しめるだろう…ということで、少しだけカシミールの歴史についても触れておきたいと思います。

カシミールの歴史は、数千年にわたる豊かな文化と宗教的な影響を受け、大変複雑なものとなっています。

 

  • 古代のカシミール

カシミール地方は、紀元前の時代から人々が住んでいたとされます。古代インドの文献にもカシミールについて言及があり、ヒンドゥー教や仏教の影響を受けた地域でした。特に、紀元前4世紀頃にはカシミール王国が存在していたといわれ、インド文化と仏教の中心地として栄えていたようです。

  • 中世

中世時代には、イスラム教の影響が強まったとされます。14世紀に、イスラム教がカシミールに伝わり、16世紀にはムガル帝国がカシミールを征服したことで、文化と経済が発展しました。ムガル帝国の支配は数百年間にわたり続いたと言われています。

  • 近代

19世紀になると、カシミールはさまざまな帝国や勢力によって支配されます。19世紀初頭、カシミールはシク王国の支配下に入りました。1846年、シク王国の崩壊後、カシミールはイギリスの支援を受けたドッグラ王朝によって統治されるようになり、正式にインドの一部とはならず、独立した王国として存在することとなりました。

  • インドとパキスタンの分裂(1947年)

インドが1947年にイギリスから独立すると、インドとパキスタンが分裂し、カシミールの支配を巡って両国の争いが勃発しました。

1947年の独立後、カシミールのマハラジャ(支配者)はインドに加わることを決定し、これに対してパキスタンは反発、この結果、インドとパキスタンの間で第一次カシミール戦争(1947-1948)が勃発し、その後国連の仲介で停戦が成立しました。しかし、カシミールは今もインドとパキスタンの間で分割されており、その支配権を巡る争いは続いています。

  • 現在のカシミール

現在のカシミールは、インドとパキスタンの間で分割され、両国がそれぞれ支配する地域があります。インド支配下のカシミール地方(ジャム・カシミール州)と、パキスタン支配下のアザド・カシミール(自由カシミール)、さらに中国が支配するアクサイチン地区も含まれています。

実際にカシミールを訪れてみると、空港、街中、街から町へ向かう田舎道…本当に至る所に銃を持った軍人、軍用の車両が多く配置されていることに驚きました。現在停戦状態であるとはいえど、紛争地帯であった(ある)という事実は変わらずあるのだということを実感させられます。

※Srinagar International Airportの外観

ただ、これはカシミール地方に限らず、国境付近のエリアではよく見られる光景のようです。パキスタンに始まり、中国、ネパール、ブータン、ミャンマー、アングラディシュと、多くの国と国境を接するインドならでは(むしろ日本がマイノリティーかもしれませんが)の地理的条件が影響していると言えます。

 

  • 余談(映画紹介)

カシミール紛争、カシミール問題については、確かに世界史で勉強した記憶はあるのですが、印パの対立、宗教対立、といった大枠でしか認識できていませんでした。今回、カシミール旅行に行くにあたって、カシミール紛争を取り上げた映画を調べて、一部視聴してみましたので、皆さんにもご紹介させていただきます!

 

  1. “Haider”(2014年)

監督:ビシュール・バト

ウィリアム・シェイクスピアの『ハムレット』をオマージュし、カシミール紛争の中での家族の葛藤を描いています。インドとパキスタンの対立がカシミール地方でどのように展開するか、そしてそれが個人や家族の生活にどう影響を与えるかがテーマとなっています。

国や宗教の対立によって、個人や家族が崩壊していく様子が、(争いの場面も含め)かなりリアルに描かれており、見ごたえのある1本でした。個人的には、登場人物の心情や変化に注意がひきつけられていたこともあり、あまり宗教的な側面を注視していませんでしたが、後日同僚のインド人と話した際に、「あの映画はムスリム寄りの内容だ」というコメントがあり、確かにそういう見方もできるかもと思うと同時に、宗教問題は複雑で根深いと痛感しました。

  1. ” The Kashmir Files “(2022年)

監督:ヴィヴェーク・アグニホトリ

この映画は、1990年に起きたカシミールにおけるヒンドゥー教徒(カシミール・パンディット)への迫害と、現代に生きる若者がその歴史的な悲劇を追い、カシミールの人々の権利を訴えようとする物語となっています。

こちらはまだ、本映画を見ることのできるツールが見つかっておらず未視聴ではありますが、ヒンドゥー教徒の視点やストーリー(ヒンドゥー教徒に対する虐殺があったとする史実)にフォーカスしている点が特徴的なようです。

インド国内では公開当時かなり話題になったり、一方で一部からは国政与党のインド人民党BJPが推すプロパガンダ映画と批判されていたりと、かなり話題性の高い映画ですので、機会を見つけて是非視聴したい作品です。※宿泊したハウスボートからの景色

映画はあくまでも、事実の一部を切り取って更にメッセージ性を加えたものであり、断片的な情報となってはしまいますが、歴史を知る入り口としては良いのではないでしょうか。個人的には、特に事実に基づいた映画を見る際には、同じ出来事を取り上げたものを複数見ることで、少しでも多角的な理解を得られるよう、注意する必要があると改めて実感する機会となりました。

 

 

 

カシミール観光の見どころ!

カシミールの歴史的な背景を理解したところで、本題に移ります!ここでは、美しいカシミールの見どころを、今回の旅を振り返りながらご紹介させていただきます!

 

  • 自然

カシミールといえば、その壮大な自然が一番の魅力といえます。カシミール地方はヒマラヤ山脈の一部に位置しており、高い山々やそれらによって形成される美しい渓谷は季節によって違った顔を見せてくれ、国内はもちろん、海外からも多くの人を惹きつけています。

地元の人によると、一番の繁忙期はチューリップ祭りが開かれる春とのことですが、最近は四季を通して多くの人が訪れているようです。夏はヨーロッパの方からトレッキングに訪れる人が増えたり、冬は国内の特に南のエリアから、雪景色やウインタースポーツを楽しみに来る人が増えたりすると聞きました。南インドは常夏のような気候なので、初めて雪を見るという人も多いようです!

今回の旅では、Srinagarから片道3時間ほどのGulmargという街を訪れました。11月中旬に訪れたので、雪はちょうどこれからというタイミングでまだあまり積もっていませんでしたが、ケーブルカーを2つ乗り継いで、標高3,950メートルから見渡すヒマラヤ山脈の荘厳な姿には圧倒されました。

また、Srinagarの街には湖がいくつもあり、周囲の山々と織りなす景色が美しいのはもちろん、湖面に浮かぶハウスボードから眺める朝日や夕日は、自然の美しさに心が洗われるような、そんな体験でした!(詳細は次で記載)

 

 

  • 文化

工芸品

カシミールといえば真っ先に思いつくのが、カシミヤですが、地元の工芸品としてとくに有名なものとしては、カシミール刺繍やカシミール絨毯が挙げられます。カシミール刺繍は、世界的に有名な手工芸で、美しい繊細なデザインが特徴です。また、手織りでつくられるカシミール絨毯は、精緻なデザインと高い品質で高く評価されています。

今回の旅でお世話になったドライバーによると、カシミールではこれまでの紛争の歴史なども影響してか、主要な産業が育っておらず、観光業に頼っている割合が多いそうです(ネットで調べると、農業が30-40%を占める主要な産業という情報もあったので、非農業部門で、という認識かもしれません)。

※早朝マーケット(後述)で販売していた全て手づくり(自称)の木工芸品等。

それ以外で大切な役割を果たしている産業が、カシミール刺繍、カシミール絨毯、木工芸品、パシュミナなどの手工芸品ということで、お土産屋さんも熱の入った(良くも悪くも)営業をしますので、ここは次の注意点でも詳しく記載しようと思います!

 

ハウスボード

カシミールといえば伝統的な木造のボート型住居が有名で、湖上に浮かんだハウスボードに宿泊することができます。木材を使って手作りされ、特に、カシミール刺繍や装飾的な木彫りが施され、内部には豪華な家具やカーペットが敷かれていることが多いです。

湖上からの美しい自然が織りなす風景と、豪華で伝統的な内装と、カシミールの良いところを一度に堪能することができるのでカシミールに行く際は、アクティビティの一つとして、ハウスボードへの宿泊がお勧めです!

人気のエリアとしては大きく二つ、市内の中心地に位置するダル湖と、ダル湖に隣接するネガン湖があります。

ダル湖は観光の中心地となっており、湖に浮かず数百隻のハウスボードや、湖の周りにあるレストランやお土産屋さんがかなりの賑わいをみせていました。

 

一方ネガン湖は市街から少し外れており、落ち着いた、静かな雰囲気の中でゆったりとした時間を過ごすことができます。今回はネガン湖のハウスボードに宿泊しましたが、Kashmiri Kahwa(通称カシミールティー)と呼ばれるサフランを配合したGreen Teaを飲みながらハウスボードのオーナーとゆっくり話をしたり、時間によって変わる湖からの景色を楽しんだりと、リラックスした時間を過ごすことができました。

 

早朝のベジタブルマーケット

ハウスボードに宿泊したら是非セットでお勧めしたいのが、早朝にダル湖で開かれるベジタブルマーケット(Floating Marketとも)。朝6時頃出発して、8時頃に帰ってくる約2時間のコースです。シャカーラボードという小さい移動用のボートに乗って、湖から湖へと移動します。

地元の人によると、このベジタブルマーケットで野菜を買うと、通常の露店で買う半分くらいの値段で買えるそうです。日が昇ってくるにつれて地元のおじさんが乗ったボートが徐々に集まってきて、野菜を売り買いしている様子を見ることができます。観光客用のものは比較的大きくエンジンも備え付けてありますが、地元の方が使っているものはシンプルな木製のボートで、みなさん器用にバランスを取りながら操縦していました。

もちろん観光客向けの商品もあります!あったかいカシミールティーを売っていたり、手作りの木工芸品を売っていたりするボードもありました。木工芸品は置物からマグネットまで沢山のお土産を取り揃えていますが、びっくりしたのは現金だけでなくカード払いも可能なこと!湖の上でカード払いするとは思いませんでしたが、カードが使えるとなると財布の紐も緩み(笑)、お土産を買いこみました。

 

  • 食事

カシミールの料理には、肉料理と米料理が多いと言われています。肉料理に使われるのは、実は鶏肉ではなく羊肉がメイン!大きな羊肉がゴロゴロ入った煮込み料理(私に言わせるとカレー)やミンチを使った羊肉のケバブは、香辛料がふんだんに使われていて臭みはなく、肉!!を前面に感じられる料理が多い印象でした。

北インド料理に比べると、油の使用量は比較的少ない印象で、南インド料理のスープっぽい感じで、お米との相性は抜群でした。その分辛さはストレートに来ますが、ヨーグルトカレー?ソース?と併せると、辛さがマイルドになり酸味もプラスされて食べやすく、とても美味しかったです。

ビリヤニも一緒に注文しましたが、このお店のものはトマト感強めで、日本人にも親しみのある味で食べやすかったです!

個人的には、食事が入っている銀食器がとても素敵な雰囲気で惹かれました。カシミールは実は銀細工も非常に有名で、細かいデザインが施されたカシミールシルバーのジュエリーや家庭用品が作られているそうです。

 

番外編

今回、歴史については先に説明しましたのでここでは触れませんが、地元のドライバーや宿泊先のハウスボードのオーナーに聞いた話では、2-30年前まではまだまだ情勢が不安定で、家の外にも出られないような状況だったそうです。ここ10年程はかなり治安も安定してきていて、観光客も増えてきているので本当に良かった、と話をしてくれました。

ただ、生活基盤が整い、観光客が増えてきたこともあり、湖の水質が悪化したり、地球温暖化の影響もあってか積雪量が減って気候が変わってきていたり、自然への影響も少なからず出てきているとのことでした。確かに湖の景色はとても美しいのですが、水質は良いとは言えず、かなり濁っている様子でした。ドライバーのおじいさんの時代には湖の水が飲めるほど綺麗だった、という話も聞かされたことがあると言っていました。

都市の発展と自然の共生は、おそらくどこの場所であっても発生するジレンマであり、目をそらしてはいけない課題であると感じました。

 

観光時の注意点

 

  • 携帯電話

Srinagar空港に到着してまずびっくりしたのが、電波がない!これまでダージリンに行った際に電波が繋がりにくいことは経験済みでしたが、その比ではなく全く繋がらないのです。。また、空港にWi-Fiも用意されていないので、宿泊先の住所などは事前に携帯電話に保存しておくことをお勧めします。

宿には基本的にWi-Fiが用意されているようですが、電波を使用したい場合には、Post PaidのSIMカードを、Airtelショップで購入する必要があるとのことでした。

私は2泊3日の短い旅なので、今回はデジタルデトックスも含め(?)、宿でのみ携帯電話を使用しましたが、基本タクシー移動なのでそこまで困りませんでした!

 

  • 交通手段

山間地あるあるですが、Uberなどの配車アプリは使用できず、地元のタクシーを利用する形になります。(つまり、毎回料金交渉が発生。。)

空港からのタクシーは、空港を出てすぐの窓口から簡単に手配でき、目的地によって価格も固定されているので(掲示板に大きく張り出されている)、ある程度信用して利用できます。ちなみにインド人が価格交渉を試みていましたが、あえなく失敗に終わってましたので、価格が張り出されている場合は信用することをお勧めします!(笑)

 

 

  • ハウスボード

ハウスボードによって設備は違うかと思いますが、今回私が宿泊したところは、各部屋にエアコン、共用スペースのリビングに暖炉がありました。ただ、暖炉はまだつける時期じゃない(11月中旬)とのことでつけてもらえず、エアコンで過ごしましたが、ここで一つ注意点が。。

カシミールは水力発電所が豊富で、インド国内に電力を供給しているそうです。その為なのか、電力の供給が不安定な時があるようで、滞在した2日間のうち、1日は計画停電のようなものが行われました。夜9:30以降にならないと電気がつかず、それまではレストランで夕食を食べたり、カフェでお茶をしたりして過ごしましたが、エアコンはついておらず、ハウスボードよりは多少暖かく過ごすことができたかな…という印象でした。

また、シャワーもお湯は出ますが、水圧が弱いのでシャワーで温まることは不可能です。。シャワーは最速で済ませてエアコンで暖かい部屋を用意しておくことをお勧めします!

秋から冬にかけてカシミールを訪れる際には、防寒対策をしっかりして挑んでくださいね!

 

  • Gulmarg

移動手段

Srinagarから車で3時間ほどの距離にある美しい高原地帯で、特に冬のスキーリゾートとして非常に有名です。グルマーグという名前は、ペルシャ語の「Gul(花)」と「Marg(草地)」から来ており、「花の草地」という意味だそうです。冬は雪をまとう山々の雄大な景色と、春から夏にかけての草原や花畑が広がる風景が非常に美しいエリアです。

今回は宿泊先のハウスボードのオーナーに依頼して車を手配してもらいましたが、Srinagarからの往復1日で2,200ルピー(4,000円程)+チップ(相場はなんともわかりませんが、300ルピー、500円程で喜んでもらえました!)でした。空港で1日レンタルの場合は2,500ルピー(4,600円程)と言われていたので、相場としては4,000~5,000円の想定でいいかと思います。

 

ケーブルカー

Gulmargでは、ケーブルカーに乗って山頂に行く必要があります。ケーブルカーは2段階あり、1つ目の到着地は標高3,050メートル、2つ目は3,950メートルです。それぞれ時間帯が区切られており、WEBで事前にチケットの購入が可能です。(Phase1は800ルピー、Phase2は1,000ルピー)時間帯は区切られていますが、地元民によるとチケットさえあれば時間は関係なく入れるよ!とのこと。実際私もPhase2へのケーブルカーの乗車は少し遅れても乗ることができたので、大幅に遅れたりしなければ問題なさそうです!

 

「ガイド付けるの必須だよ」

車で向かっている途中で1か所検問(?)みたいな箇所があり、そこで2-3人のインド人ガイドさんが車に乗り込んで営業をかけてきます。決め台詞は「俺は政府に認められた公式なガイドで、Gulmargではローカルガイド付けるのが必須なんだ」。ドライバーによると、政府に認められている、というのはどうやら本当らしいのですが、ガイドが必須というのは嘘。「私たちガイドいらないから~!」としっかり断ってドライブ再開。ドライバー曰く、彼らも観光業に頼っている中で、稼ぎが必要だから必死なんだよ、とのこと。確かに生活が懸かっている分熱が入っているよなぁという印象でした。

ただ、ガイド営業これでは終わりません。。駐車場からリフト乗り場まで、15分ほど歩くのですが(リキシャや馬に乗ることも可能)、この道中の営業がすごかったです・・!普段、デリーやグルガオンでインド人営業には慣れているつもりでいましたが、Gulmargの営業のしつこさには脱帽しました。ちなみに決め台詞はやはり、「ローカルガイド必須」なので、皆さん是非ご注意くださいね!

後日談(?)ですが、リフトで相乗りになったインド人カップルがローカルガイドをつけていました。話を横耳で聞かせていただいたのですが、リフトから見える景色や地元の人の暮らしについて、興味深い話をされていたのでガイドをつけることも勿論選択肢としてありだと思います!(ただやはり常に話があるわけではないので、間間では携帯を触っていましたが。笑)

 

  • お土産屋さん

カシミールのお土産といえば、工芸品のカシミール刺繍やカシミール絨毯、木工芸品が有名です。Gulmargに行った際に、お土産買いたいな~と漏らすと、ドライバーがお土産屋さんに連れて行ってくれました。到着してから思い出したのですが、インドの、特に工芸品のお土産屋さんというと、立派な建物の中に、製作工程を見られる場所と、本気で営業をかける場所があるのです(Agraでも経験済み!)。

製作過程見学

今回カシミールでは、まずは絨毯を手織りしている様子を見せてくれます。英語を話せる営業マンが、どのように絨毯の模様を決めて、製図に落とし込んで、糸を一本一本織り込んで、どれほどの時間をかけて1枚の絨毯を完成させるのか、細かく説明してくれます。特に興味深かったのは、製図の記号(?)は代々受け継がれており、その家系の人しか理解できない、また、絨毯が完成するとその製図は燃やしてしまって2度と同じものは作らないという内容でした。

営業ルーム

一通り製作工程を見終わると、ついに(通称)営業ルームへ。営業ルームに入ると、ソファやいすに案内されて、美味しいお茶を出してくれます。ふう~っと一息つく間もなく、本気の営業がスタート!色や大きさが違う絨毯を次々と持ってきて、そのデザイン性や性能、こだわりなどを丁寧に説明してくれます。一通り紹介が終わると、「どれが一番良かった?この大きさが一番いい?ほかの色もあるよ?」とバラエティをどんどん展開。「もういいよ!ストップ!!!」というまで次から次へと新しいものを紹介されます。

そしてここからが本題、「価格交渉」、もしくは今回の私たち「絶対に買わせたい営業マンと買う気のない消費者」。そもそも買う気ないなら行くなという話なのですが、私としても絨毯が買いたかったわけではなく、何かお土産になるようなものを、と思っていた程度だったんです。この絨毯は手織りなので、一番小さいサイズのもので30,000ルピー(約55,000円)程。サイズや、使用している糸の素材によって価格が変動します。絨毯を買うつもりはなかったので、「今回はいらない、ありがとう」とそそくさと帰ろうと思ったのですが、そう簡単に返してはもらえません。ここから営業トークの一例をご紹介!

 

営業トーク!

「玄関においても、寝室においても、何なら壁にかけてもいい!カシミールに来た思い出の品として一つは持って帰るべき!」

「上質な絨毯だから(糸の性質や織り方による性質)、小さいゴミやホコリを跳ね返して常にきれいな状態が保たれるんだよ」

「この肌触り体験してみて!これで足裏を刺激すればリラックス効果があるんだ。仕事から帰ってきたときに、靴を脱いでこの絨毯の上で足をマッサージすれば一日の疲れも吹き飛ぶよ!」

「政府から補助が出るから、世界中どこへでも送料無料で送ることができるよ!」

「この絨毯は村にいる家族が代々作っていて、僕は彼らを代表してここで商品を紹介している。絨毯を作る人材も減って苦しい状況になってきているけど、伝統を守る為にも商品を買ってもらう必要がある。もちろん彼らの生活もかかっているから普段割引なんてしないけど、今回は君のために特別だよ、30,000ルピー⇒28,000ルピーでどう?」

※断り続けると20,000ルピーくらいまで下がりました(値下げしてほしかったわけではない)。参考までに、値下げ交渉したい場合はこの方法で。こちらから具体的な額を提示するのもありですが、いやその値段なら買わない、と断っているとだんだん値段を下げてくれます。

 

帰り方

購入を検討する方は、上記方法もうまく使って価格交渉をしてください!私のように買うつもりないけど迷い込んでしまった場合は、丁寧に、でもはっきりと断って(説明してくれたことへの感謝や伝統工芸への尊敬の念を伝えたうえで、今回は必要ないから買わない、等)、お礼を言って車に乗り込みましょう!

 

最後に

以上、カシミールの歴史から旅行の楽しみ方、注意点まで盛りだくさんでお届けしましたが、いかがでしたでしょうか?もちろん注意すべき点もいくつかありますが、基本的にはカシミールで出会う人たちは優しく、英語も話せる人が多いので、快適な旅となりました!

 

皆さんもインドに来る際は、タージマハルやバラナシに加えて、是非「地上の楽園」を体験してみてはいかがでしょうか?もちろん、普段インドの都市や工場でのお仕事にお疲れの方にも、是非おすすめの旅先です!

旅先の選択肢の一つとして、少しでも役立つ情報となれていれば嬉しく思います♪

最後までお読みいただきありがとうございました!

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