【2024年版】インドの給与構成を項目別で解説!

こんにちは!RGFインドです。  
私は20245月からインドにて現地採用でキャリアアドバイザーとして働いています。  
また、弊社はインドに進出している日系企業様への現地採用をサポートしています。

 

突然ですが、皆さんはインドで働くイメージがつきますでしょうか?  
キャリアアドバイザーとして様々な求職者様と面談をしていますが、ほとんどの方がインドでの実際の生活をイメージできていないとおっしゃっております。私自身もインド就業前は全くイメージが掴めていませんでした。   

 

面談を重ねていく中で、特に多くされる質問の1つが、「実際に生活できるのか?」というものです。たしかに、インドとひとくくりにいっても、人口14億人以上を超えており、面積は日本の約9倍もあります。各都市によっても生活にかなりの違いが出るのは間違いないです。 

 

インドの給与の内訳を見て、基本給の割合の少なさ(手当の割合の多さ)に驚く人も多いかもしれません。ただ、それはあなたがオファーを出してくれた企業だけがそうしている訳ではなく、ほとんど全てのインドにある企業が手取り給与を増やすために基本給が全体の50%の内訳にするようにしています。

 

基本給の多寡だけで判断できないのは他の国に比べてインド特有とも言えます。
ですので、インドならではの給与内訳項目を頭に入れておく必要がございます。
インド特有の仕組みを理解すれば、実際の手取り額を増やすことも夢ではありません。 

 

本記事は、求職者の中から特に質問が多いインド現地でいただく給与内訳についてご紹介します。 
このブログを読んで、インドの給与内訳について理解を深めてみましょう。 

基本事項 

インドでは日本人が雇用ビザを取得する際、年収ベースで1,625,000ルピー以上の報酬がないとビザが取得できない、という基準があります。(Visa最低給与基準) 

 

インドで現地採用として日本人が働く場合、給与の内訳は日本とは異なるため、詳細を理解しておく必要があります。インドでは給与がCost to Company (CTC)という総額表記が一般的で、税金や各種手当なども含まれた総収入として表されるため、実際の手取り額(Take Home Salary/Net Salary)とは異なることがあります。 

 

額面上の給与と、手取り額を試算することで、生活費・固定費のイメージをより具体的にすることが重要です。次は、代表的な給与内訳項目を見ていきましょう。 
※各企業から発行される内容は統一されておらず、あくまで代表的な項目を例として挙げて説明をしていきます。

 

 

参考:2025年度税制改正提言」を公表しました – 新経済連盟 

 

各国を比較した個人所得税率は表のようになっています。加えて、インドは累進課税ですので所得に応じて納める金額も変動します。税収の仕組みによっても、実際の手取り額が変化することを念頭に入れておきましょう。

 

転職活動を行いながら、現在の年収を比較する際には日本円で比較するよりも、あくまでその国で暮らしていく上での生活費、ご自身の生活レベルに準拠した金額を試算いただけるとより海外での生活をイメージしやすいかと思います。詳細は以下記事を参考にしてください。より正確に知りたい場合は会計事務所にお問い合わせてみるのも有効な手段と言えるでしょう。

参考:税制 | インド – アジア – 国・地域別に見る – ジェトロ 

 

代表的な給与内訳項目 

基本給(Basic Salary 

CTCの基礎となる部分で、多くの手当や控除はこの基本給に基づいて計算されます。 

例えば、税金計算の基礎額となり、税負担を軽減するために50%以上が非課税として設定されることが一般的です。たとえば、基本給がCTCの50%程度と設定されると、家賃補助、後ほど触れるProvident Fund(PF)の計算基礎として使われるため、最終的な手取りにも影響します。 

住宅手当(House Rent Allowance, HRA 

インドでは家賃補助の形式で支給される手当です。
あくまで項目として住宅手当となっておりますが、必ずしも支給される額を全額住居に当てないといけないわけではございませんので日本で言う住宅手当と考え方が違うことをご注意ください。  

 

※税計算には現在old regime/new regimeがあり、old を選択し家賃を払った領収書を確定申告時に提出すれば該当額が非課税となります。new regimeは全体支給からの完全な見込み税計算法 

参照:bazaar.com/tax/house-rent-allowance.html 

特別手当(Special Allowance 

CTC全体から基本給やHRAなどを差し引いた金額の残りを埋める項目です。
課税対象となり、手取りの給与に直接影響するため、特別手当の割合が大きい場合、手取り額が少なくなります。特に
ITや金融業界などではCTCの大部分が特別手当として設定され、税負担が高まる傾向があります。 

通勤手当(Conveyance Allowance 

月額1,600ルピーまでが非課税となる通勤費用の補助です。多くの企業では固定額で支給されます。例えば自家用車の通勤では利用できないなど会社によって制限がある場合もあります。 

食事手当(Meal Allowance 

現物支給またはクーポンでの支給が一般的です。インドでは、この手当が福利厚生として提供され、課税されない場合が多いです。クーポン形式で支給された場合、社内食堂や一部レストランで使用可能で、給与の一部として非課税扱いです。 

退職金積立(Provident Fund, PF 

退職時の福利厚生として積み立てられる制度で、従業員20人以上の事業体(現地法人、駐在員事務所、支店、プロジェクトオフィスを含む)が適用されます。基本給の12%が自動的にPFアカウントに積み立てられ、雇用主も同額を拠出します。退職時に引き出しが可能です。

 

また、厳密には会社から入れるのをEPF( Employee provident fund)といいます。実はほかにもいろいろな種類のPFがあります。Provident Fundに関しましては、インド現地採用で働く際の重要な項目になりますので、ご自身でもよく調べて理解を深めておきましょう。

 

参考:従業員積立基金(EPF)および従業員年金基金(JETRO 

健康保険と医療手当(Medical Insurance & Allowance 

健康保険として提供されることが多く、医療費が年間15,000ルピーまで非課税です。特にインドではアメリカと同様に社会医療保険制度が無く全て自己負担になりますので医療費が高額になる可能性があるため、企業提供の保険があると安心です。 

 

家族分の健康保険は安く追加できる場合もございます。また会社から入ると団体割引などで加入可能となっていますが、現地採用でも医療保険福利厚生がついていない会社もあります。その場合、個人契約でも入院手術保険に加入することが可能です。 

 

デリーを始めとする大都市であれば、総合病院で手術や入院が可能で、日本人の中でもインドで出産や手術をされた方もいらっしゃり、病院内に日本語対応のヘルプデスクがある病院も多いです。また日本人が常駐している病院は多く、医療通訳サービスもあり、病院予約や日本語での初期対応をしてもらえ、会社が契約しているところも多いので安心です。 

 

参考:Fortis Memorial Research Institute(グルガオンで日本人が良く利用する大きな病院

業績ボーナス(Performance Bonus 

業績や勤務評価に基づき支給され、通常は年一度ですが、四半期ごとの場合もあります。
こちらは会社によって変わりますので、ご自身で確認いただくのが得策かと思います。課税対象であるため、支給額に応じて手取りが変動します。
 

 

インド法人の場合、業績ボーナスがある会社もありますが、数は少ないように見受けられます。10月末~11月初旬にかけてDiwali(ディワリ)ボーナスが1か月分支給される会社が一般的ですが、会社ごとに異なります。 

旅行手当(Leave Travel Allowance, LTA 

出張手当と併用されることもございますが、家族とともにインド国内旅行にかかる費用をカバーし、年一度まで非課税で支給されます。インド国内旅行に限られるため、海外旅行や一部地域では適用外です。 

役職・職務手当(Duty Allowance, Position Allowance 

中間管理職や管理職向け、特定の職務や役職に付随する手当です。たとえば、出張の多い職種や特別な技術が必要な職務に対して支給されることがあります。ほとんどの場合課税対象です。 

移転手当(Relocation Allowance 

インド国内や海外からの転職者に対して、引っ越しや移住にかかる費用の一部を支給する手当です。支給額の一部または全部が非課税である場合もありますが、詳細は企業ごとに異なります。 

通信費手当(Mobile and Internet Allowance 

業務での携帯電話やインターネット使用のための補助として支給される手当です。特にリモートワークが多い業種では一般的です。営業職によくついている印象です。SIMは会社負担など、会社指定のSIMを利用しないとならないなど確認いただけると安心できます。 

出張手当(Travel Allowance 

海外やインド国内での出張費用をカバーする手当です。宿泊費、食費、交通費などの実費に応じて支給され、手当の一部が非課税になる場合もあります。実際の出張経費を証明できる場合、非課税扱いのケースが多いです。 

制服・服装手当(Uniform Allowance/ Attire 

特定の職種で制服が必須の場合、その費用をカバーするために支給されます。制服代は非課税になる場合もありますが、詳細は企業の方針によります。 

福利厚生手当(Welfare Allowance 

社員の健康増進や福利厚生を目的とした補助金で、スポーツクラブの会費、メンタルヘルスサポートなどが含まれる場合があります。 

祝日やフェスティバル手当(Festival Allowance 

インドの主要な祝日(ディワリやホーリー)に合わせて支給される特別手当で、家族向けのギフトとしての利用も推奨されます。企業によっては課税扱いになることがありますが、場合によっては免税です。インドには特有の祭事も多いですので、給与に盛り込まれる場合もございます。 

 

実際の例を見てみよう 

では、実際の例を見てみましょう。 現地給与140,000Rs/ 月の場合 

 

 

基本給がCTC50%程度と設定されると、HRAや退職金、Provident FundPF)の計算基礎として使われるため、最終的な手取りにも影響します。基本給に対して、税負担がかかりますので、他の項目などに逃がすことによって税負担をなるべく減らすように配慮されております。会社によってさまざまな項目がございますので、不明な点がありましたら、内定承諾前に必ず明瞭化しておきましょう。後々揉めることを避けることができます。 

 

また、インドにてご自身で確定申告をすることも可能で、税金スキームや手続きにより税金額も変わる可能性がございます。気になる場合は会計事務所などに問い合わせをお勧めいたします。 

まとめ 

いかがだったでしょうか。インドといっても各都市によって文化や生活も大きく異なりますので、その分給与項目も大きく変わります。皆様のインド生活がよりイメージをしやすくなったら幸いです。 
※本記事の内容は責任を負いかねますので、正しい最新情報を知りたい場合は会計事務所にお問い合わせください 

 

さらに具体的なお話が聞きたい場合は、面談にて伝えさせていただいております。  
少しでも興味が湧きましたら、いつでもご連絡ください。記事記載の情報をさらに詳しくお話することもできます。 まずはお気軽に面談予約からお待ちしております。  
 

それでは、皆様のグローバルキャリアがより良いものになっていくことを願っています。  
お読みいただきありがとうございました。 インドで一緒に働けることを、心からお待ちしております。  
 
メールでご連絡はこちらから:jp.hiring@rgf-hragent.asia 

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