インドで一番愛されている神様「ガネーシャ」のお祭りのご紹介
こんにちは!RGFインドです。
今回はヒンドゥー教の神様についてのお祭りについて、少し触れさせていただきます。
インドでは様々な神様のお祭りが年中行われており、その中でインドで一番愛されている神様と言っても過言ではないガネーシャ神をお祝いするお祭りも毎年各地で行われております。今年2024年は9月7日から行われました。
新たな始まりの神であり障害を取り除く神であるガネーシャ神を讃え、その知恵と知性を祝うお祭りとなります。インド全土で祝われますが、特に盛り上がるのがマハラシュトラ州の、商業・金融都市と言われるムンバイとなります。
Contents
子供から大人まで人気の神様、ガネーシャはどんな神様?
インドは小さいことからお寺に訪問することが多く、また親からもよくヒンドゥー教の神様の話を聞いたりします。また、家で「プジャ」と呼ばれるヒンドゥー教の儀式を行う際に、神様が出てくる神話等を口ずさみながらお祈りをささげたりするので、インドの人にとってはヒンドゥー教の神様たちはとても身近な存在です。
その中でもアイドル級と言っても過言ではないほど有名なのが、ガネーシャ神。
上記でお伝えしました「新たな始まりの神」や「障害を取り除く神」として知られており、何か新しいことを始めるとき、特に仕事や勉強の開始、旅行の前など、インドの人々はガネーシャに祈りを捧げ、成功と幸運を祈ります。
また、「知恵と学問の神」でもある為学生や知識を求める人々、また、芸術家なども成功を願ってガネーシャを祈ります。
そして家庭の守護者としても崇拝され、家族の幸福と繁栄を祈るために多くの家庭で祀られていると共に、富と豊かさを象徴する神でもあり、商人やビジネスマンにも人気があります。
つまり、生活のすべての部分に関わっているのではないかというほどご利益がある神様となり、インドの家庭では一家に一つはガネーシャ像があります!
ガネーシャの誕生話
ガネーシャはヒンドゥー教三大伸の一人シヴァとパールヴァティの息子となりますが、神話によると実はこのように生まれたのです。
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ある日、女神パールヴァティは自宅で入浴の準備をしていました。その入浴を邪魔されたくなかった彼女は、夫シヴァの牡牛であるナンディに門番を任せ、誰も通さないように命じました。
ナンディは忠実にパールヴァティの任務を遂行しようとしましたが、シヴァが帰宅し当然のように家に入ろうとしたとき、ナンディはシヴァに忠誠を誓っていたため彼を阻むことができず、通さざるを得ませんでした。
このことにパールヴァティは腹を立てましたが、それ以上に、シヴァに対するナンディほど自分に忠実な者がいないことに憤慨しました。そこで、彼女は自分の身体から取った沐浴用のターメリックペーストに命を吹き込み、ガネーシャを創造し、彼を自分の忠実な息子であると宣言しました。
そしてその後、息子であるガネーシャに門番を任せパールヴァティが入浴を楽しんでいると、シヴァが帰宅し自宅に入ろうとしました。するとそのシヴァの見知らぬ少年が自分の家に入ることを拒んだため、激怒したシヴァは自分の軍隊にその少年を倒すよう命じました。しかしその少年がとても強力だった為、誰も成功しませんでした。
シヴァはこの少年がただ者ではないことを悟り、普段は穏やかなシヴァも戦うことを決意し、神聖な怒りの中でガネーシャの首を切り落とし、一瞬で彼を殺してしまいました。
このことを知ったパールヴァティは激怒し、侮辱されたと感じ、全ての創造物を滅ぼそうと決意しました。
創造主であるブラフマー神は当然これに問題を抱き、彼女にその過激な計画を再考するよう懇願しました。パールヴァティは二つの条件が満たされれば考え直すと伝え、その条件とは、ガネーシャが生き返ること、そして彼が他のすべての神々に先立って永遠に崇拝されることでした。
シヴァはこの時点で冷静になり、自分の過ちに気づいてパールヴァティの条件を受け入れました。
彼はブラフマーに命じて、頭を北に向けて横たわっている最初の生物の頭を持ち帰るように命じました。ブラフマーはすぐに、強くて力強い象の頭を持ち帰り、それをシヴァがガネーシャの体に取り付けました。
シヴァは新たに命を吹き込み、ガネーシャを自分の息子として認め、彼に神々の中で最も重要な地位と、全てのガナ(存在の階級)のリーダーであるガナパティの称号を与えました。
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また、彼には4本腕があるのですが、その理由は、微細な体の4つの内的属性、すなわち心(Manas)、知性(Buddhi)、自我(Ahamkara)、そして条件づけられた意識(Chitta)を象徴するためということだそうです。ヒンドゥー教の他の神様(ヴィシュヌ、シヴァ、ブラフマー、カーリー、ラクシュミ、パールバティ等)にも4つ腕があり、それぞれの能力や属性を象徴しているそうです。
実は日本や海外にもあふれるガネーシャ様
日本に渡った仏教は中国を通してインドから伝わりました。ガネーシャも仏教の聖天(歓喜天)として平安時代の初期にあたる9世紀初頭に唐で2年間の留学を終えた弘法大師空海が、密教の教えや仏具・経典などとともに日本に持ち帰った神様だと伝えられています。
古くから仏教にいる神様として日本で親しまれており、2011年以降に発売され大ヒットセラーになった「夢をかなえるゾウ」シリーズ内にいるゾウはガネーシャであったり、日本中の沢山のお寺にもガネーシャ像が祭られています。インドのガネーシャと似た姿が多いようですが、日本には以下の様に2体抱き合う形のものもあり、こちらは秘仏とされ一般公開されていないことがほとんどだそうです。

また、日本だけではなくインドネシアやタイ、そしてアフガニスタンやアイルランドにもあり、多くの方から愛されている神様となります。

ガネーシャ祭で行うこと
では、ガネーシャの発祥の地インドではどのようにお祝いがされているのかをこちらからご紹介いたします。
ガネーシャ祭りは彼の生誕祭であり、踊りあり、音楽ありでとても盛大にお祝いされます。流れとしては以下となります。
「Ganesh Chaturthi(ガネーシャ・チャトゥルシー」」と呼ばれる初日
個人宅用であれば泥で作られた手のひらサイズから30センチほどのガネーシャ像を購入し、(泥が手に入らないときは小麦粉などで家で作ったりもします)、地域やアパートコミュニティ用であれば住民たちでお金を出し合い、巨大ガネーシャ像を購入します。
今回近所を20分ほど回るだけで異なる10体ほどのガネーシャ像がありましたので、その一部をご紹介します。このような大きなガネーシャは広場や駐車場などに置かれることもありますが、細い道の真ん中に置かれ完全に道を塞いでしまうことも多く、この時期は突然道が通行止めになったりします。
ヴィシュヌの化身達と一緒にいる3メートル程のガネーシャ。
雨が降ることもあるので小屋に入れられるガネーシャが多く、
こちらは屋根一杯までの3メートル程のガネーシャ。
その一方、屋根なしで外に放置されている巨大ガネーシャ。
この2メートルほどのガネーシャは、85,000ルピで購入されたと掃除していた方が教えてくれました。最近は華やかなガネーシャも多く、昔よりだいぶ値段が上がっているそうです。
※これらの像は池や川に沈められるので環境破壊をしないように以下の様にインド政府やそれぞれの地域により作られ方にルールもちゃんと存在します。しかし、やはり守られていないこともあるようです・・・

プジャ(儀式)を行う
乾燥米粒やターメリック(ウコン)、クンクマ(サフラン)の粉をかけつつマントラ(祈りの言葉)をささげ、アラティという火の儀式を行います。(プジャはガネーシャ像が運び込まれる前、運び込まれてから、最終日までの間など何度か行われます。)
家の中の場合、お香、花や葉っぱを添え綺麗にデコレーションをします。
また、ガネーシャの大好物であるモーダカやラッドゥと呼ばれる甘いお菓子も必ず添えられます。
こちらは先日私の義実家で義父がデコレーションしたガネーシャです。
「Ganesh Visarjan(ガネーシャ・ヴィサルジャン)」と呼ばれる祭り最終日
祭りの終わりは神様が天の住処に帰ることを象徴しており、ガネーシャ像は破棄されるのではなく水(海、川、池、バケツに組んだ水の中など)に浸され、もともとの粘土に戻るようにします。この儀式は「Ganesh Visarjan(ガネーシャ・ヴィサルジャン)」と呼ばれ、初日を1日目とし、3日後、5日後などの奇数日後に行われ、一番遅くとも11日目にはヴィサルジャンが行われます。
何故奇数日に行われるかは、ヒンドゥー教では「ヒンドゥー・パンチャーン」と呼ばれるヒンドゥー暦を遵守しており特定の日付で行われるわけではないそうであり、現代のカレンダーとずれている為、昔から現代カレンダーで奇数の日にやった方がよいということになっているようでした。
このヴィサルジャンやガネーシャ像購入時の移動時には道路を封鎖し(許可が取られているかは不明ですが)見物の人たちと共に練り歩くこともあります。これは地域の政治家や大きなコミュニティなどで計画されることが多いようです。
ガネーシャ祭が一番盛り上がるムンバイは海沿いであることもあり、海に行くまで盛大に皆で行進し、お見送りをするそうです。ムンバイでのお祭りの様子はこちらからご覧いただけます↓
※音量にご注意下さい
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