【歴史】インドネシアと日本の歴史

皆さんこんにちは!

ジョグジャカルタのガジャマダ大学に留学中の森本蓮です。

インドネシアは、世界一の親日国といわれるほど日本に興味がある人、日本のことを好きな人が多いです。

しかし、それはなぜでしょうか。

インドネシアはかつてオランダから約340年間、日本から3年間の植民地支配を受けた後に独立を果たしました。

「日本がオランダからインドネシアを守った。」

「日本が昔、インドネシアにいいことをしたからインドネシア人は日本のことが好き」

という情報もありますが、本当にそうなのでしょうか。

そこで今回は、インドネシアと日本の歴史を振り返っていきたいと思います。

植民地時代の関係


約340年間のオランダによる統治(1602年~1942年)と、1945年までの約3年間の日本による統治の後、インドネシアは独立を果たしました。日本による植民地時代のことについて、インドネシアの教科書には、「オランダによる約340年間の支配よりも、日本に支配された約3年間のほうが苦痛であった」と記載されているようです。

では、具体的にどのような状況だったのでしょうか。例えば、食料の量と質が低下し、多くの人民が餓死で死亡したり、栄養失調で腹が膨らむ病気が流行したり、衣料が不足したため、麻袋で作った服を着る人が少なくなかったりと、かなり深刻な状況だったそうです。

この歴史について、インドネシア人の友人に聞いたところ、インドネシアの中学や高校では、それは昔のことだから日本を恨む人はおらず、インドネシア人の手で独立を達成して守ったということに力点をおいて授業が行われていると言っていました。

スマラン事件


1942年から1945年。日本によるインドネシアの占領期の終結後、1945年10月15日から10月19日にかけてジャワ島スマランで、日本軍とインドネシア独立派の間で武器の引き渡しを巡って対立が生じ、スマラン事件が起こりました。

インドネシア側民兵が拘束した日本の民間人多数を処刑、日本軍が戦闘の末にインドネシア側を制圧しました。この争いにより、インドネシア側に1000〜2000人、日本側にも民間人を含め200人以上の死者・行方不明者が出ました。インドネシアでは五日間戦争(Pertempuran lima hari)として知られています。

中部ジャワ スマランにある「ラワン・セウ」の前には、「青年の塔」があり、ここには、スマラン事件で犠牲となった青年たちが眠っています。

インドネシア独立戦争


1945年8月17日。約340年間のオランダによる統治(1602年~1942年)と、45年までの約3年間の日本による統治の後、8月17日にスカルノ大統領とインドネシアの若者により独立宣言を発表しました。日本が8月15日に無条件降伏をし、その2日後にインドネシアは独立しました。

しかし、オランダはインドネシアを植民地化するために再び乗り込んできたのです。そうして独立を果たしたインドネシアはオランダと再び戦わざるを得なくなりました。

その際インドネシアに協力したのが、軍籍を離脱した一部の日本人約3000人です。彼らは、インドネシアのために、インドネシア人と共に、オランダと戦いました。この独立戦争で命を落とした日本人は約1000人と言われており、彼らはジャカルタ南部にある国立英雄墓地(カリバタ英雄墓地)に埋葬され、インドネシア独立の英雄として顕彰されています。この争いは、1947年8月1日、国際連合安全保障理事会にて停戦及び平和的手段による紛争解決が提示され、オランダはインドネシアの再植民地化を諦めたのでした。

また安倍晋三首相は2007年8月21日及び2015年4月22日の2回、カリバタ英雄墓地参拝を行いました。

まとめ


日本とインドネシアは2018年に国交樹立60周年を迎えました。日本のアニメや漫画、J-POPはインドネシアでも絶大な人気を誇っていて、それらをきっかけに日本に興味を持ち、好きになっている人がとても多いです。

 「オランダとの独立戦争で日本が共に戦ってくれたから、インドネシアは日本のことが好き。」このように思っているインドネシア人もいるとは思いますが、実際には、知らないインドネシア人も多く、日本に助けてもらったと思っている人は少ないように感じます。

そのため、インドネシアは非常に親日国ではありますが、日本がいいことをしたからインドネシア人はみんな日本が好きという誤った先入観を持つのは控えたほうがよいでしょう。これからも日本とインドネシアの良い国交を継続、発展させていくには、日本とインドネシアの歴史を少しでも理解しておくことが大切かもしれません。最後までご覧いただきありがとうございました!

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