【禁忌!?】インドで牛を食す!~南インド・チェンナイの食文化:海とスパイスが香る街で「牛肉」が食べられる理由 ~
【南インドの玄関口・チェンナイとは?】
チェンナイ(Chennai)は、インド南東部・タミル・ナードゥ州の州都であり、
人口は約1,100万人、インドで4番目に大きい都市。
「南インドのゲートウェイ(玄関口)」と呼ばれるほど、経済・教育・文化の中心として発展してきました。
また、日系企業や自動車産業の集積地としても有名で、日産、トヨタ、三菱、ヤマハなど多くの日本企業がここを拠点にしています。
ベンガル湾に面した港町であり、海沿いには延々と続く白い砂浜が広がります。中でも有名なのはマリーナビーチ(Marina Beach)。全長およそ13kmにも及ぶインド最長のビーチで、朝夕には多くの人々がジョギングや散歩を楽しむ姿が見られます。

(マリーナビーチ)
実はチェンナイは、インドの中でもサーフィン文化が根付き始めた街でもあります。
都市近郊の「コヴェロング・ビーチ(Covelong Beach)」にはサーフスクールが点在し、週末になると地元の若者や外国人が波に乗る姿も。
チェンナイ在住の日本人もサーフィンを趣味にされている方が多いです。
近年は国際的なサーフィン大会も開催され、「南インドのサーフシティ」として注目を集めています。
チェンナイは年間を通して高温多湿で、特に5〜6月は40度を超えることもあります。そのため、サーフィンを一年中楽しめるのも魅力です。
【南インドの味覚:米とスパイス、そしてココナッツ】
チェンナイの食文化は、米・豆・ココナッツ・スパイスが基本。
朝食には、蒸した米のケーキ「イドゥリ」やクレープのような「ドーサ」が定番で、カレーはさらっとしたスープ状です。
北インドで主流のナンやチャパティよりも、お米を主食とする文化が根強く、南インドでは「ごはん+カレー」が王道スタイル。
また、ヒンドゥー教の影響でベジタリアン(菜食主義者)が多いのも特徴。寺院近くでは肉を使わない料理が多く提供され、野菜や豆を使ったスパイス料理が日常的に楽しまれています。
チェンナイの伝統料理「サッダ(Saapadu)」は、バナナの葉の上ご飯とカレー(スパイス)を乗せ、混ぜながら食べます。

(サッダ)
食べるときは手を使うのが現地流です。
外国人用にスプーンが置かれておりますが、手で食べると現地のインド人が凄く嬉しそうにします(笑)
【それでもチェンナイで「牛肉」が食べられる理由】
「インドでは牛肉が食べられない」とよく言われますが、必ずしもそうではありません。
北インドではヒンドゥー教徒が多く、牛は神聖な動物として扱われているため、牛肉を口にすることはタブーです。
しかし、南インドのチェンナイでは宗教構成が多様です。
ヒンドゥー教徒に加え、キリスト教徒やイスラム教徒の人口も多く、彼らの間では牛肉を食べる習慣があります。
特にイスラム系家庭では「ビーフビリヤニ(牛肉のスパイス炊き込みご飯)」が人気で、チェンナイのローカルレストランでもよく見かけます。
近年は都市化の進展とともに、宗教よりも食の多様性を尊重する若者文化も広がりつつあります。
そのため、カフェやモダンレストランでは「ビーフバーガー」や「ステーキ」など、かつては珍しかったメニューも登場しています。
私のおすすめのレストランはこちらです。

こちらは、チェンナイ市内にある「Goldman’s Steak House」です。
私が頼んだのはこちらのテンダーロインステーキ!

肉厚ジューシーでめちゃくちゃ美味しいです。
私が住む北インドのデリー近郊では牛肉は決して食べられないので、これを毎日食べられるチェンナイ在住の日本人が羨ましいです。
【ステーキハウスの店主はヒンドゥー教徒!】
なんと、こちらのステーキハウスの店主はヒンドゥー教徒だそうです。
牛肉を食べるようになったきっかけを伺うと、
「友人にキリスト教徒やイスラム教徒が多く、同じテーブルで自分だけ牛肉を食べないことに疑問を持った」
というのが理由だとか。
もちろん今でも、宗教上の教えに従い牛を神聖な動物として敬意を持って扱っているそうですが、
“食事と信仰は別”という考え方で折り合いをつけているそうです。
やはり、多様な文化に触れることで人の考え方も柔軟になっていくのですね。
宗教や文化の話、そしてチェンナイの暮らしなどをざっくばらんに語ってくれ、
食欲も知識欲も満たされる時間でした。
皆さんもぜひ、チェンナイに立ち寄る際はGoldman’s Steak Houseで店主に話しかけてみてください!
【まとめ】
海風が心地よく吹くチェンナイは、
スパイス香る料理と、多様な文化が共存する街。
「牛は神聖」という信仰と「食の自由」という現代的価値観が共に存在し、
その調和の中にこの街らしさがあります。
以上、チェンナイの基礎知識+食文化の紹介でした!






