「お月見サテ」胃袋から始まる異文化交流の話
Selamat malam!(こんばんは!)
日本ではそろそろ蒸し暑い夏が本格化している頃でしょうか。
湿気と格闘しながらの通勤電車、エアコンのリモコンをめぐる家族内バトル、そして、何かと財布の紐が緩むビールの誘惑……。
そんな“夏の風物詩三点セット”が恋しくもなりますが、私は現在、常夏のインドネシアに来て早5か月目。
今回は、「日本の焼き鳥好きよ、全員集合!」と叫びたくなるような、インドネシア版・串焼きグルメ“サテ”について、全力でレポートしたいと思います。
Contents
■「サテって何?」という方へ、まずはWikipedia先生から一言
サテ(sate)は、インドネシア・マレーシア・フィリピン・シンガポールなど東南アジア各国で広く愛される串焼き料理。
いわば、東南アジアの焼き鳥。
日本の焼き鳥やBBQが好きな方なら、まず間違いなく沼にハマります。
■サテの聖地!? ジャカルタNo.1の店に行ってみた
ある日、インドネシア人の友人がニヤニヤしながらこう言いました。
「今夜、“ジャカルタで一番うまいサテ”食べに行こうぜ」
その店の名前は、Sate Ayam Barokah Santa(サテ・アヤム・バロカ・サンタ)。
なんともありがたみのある名前です。
出てきたサテはというと――
見た目は地味。だけど、味は爆発。
鶏、羊、山羊……まさに肉のワールドカップ。
味付けも塩・カレー風味・ウスターソース風のものまで多種多様。
特に、私は運動後だったこともあり、塩味のサテが五臓六腑に染みわたりました。
「塩ってこんなに尊いんだ……」と、思わず心の中で拝んだほど。
■“ピクニック飯”という名のカルチャーショック
さて、問題は“食べる場所”です。
整然と並んだテーブル? エアコンの効いた店内? いいえ、違います。
地面に敷かれた布の上に座って食べる、それが正解。
日本で言うところの“お花見ピクニックスタイル”。
周囲には子どもたちが走り回り、猫が寝ころび、バイクがブンブン通りすぎ、BGMは近所のモスクからのアザーン(祈りの呼びかけ)。
「うわ…衛生的に大丈夫か…?」と心の中の“日本人センサー”が作動しますが、
月を見上げながら皆でワイワイ食べる時間には、懐かしさと不思議な安心感がありました。
ちなみに、ここで綺麗好きな方にワンポイントアドバイス。
インドネシアの路面店では、肉が半生 or 腐っているなんてことも時々あります。
なので“お腹を壊す覚悟”を持って挑んでください。
(ちなみに私は、奇跡的に無傷でした。胃袋、ありがとう)
■夜風が気持ちいい“常夏の国の特権”
インドネシア=暑い、というイメージが強いですが、
夜は意外と涼しい!
湿気も少なく、夜風が気持ちよくて、日本の夏の夜よりも快適。
その心地よい空気の中、地面に座って、サテを食べながら、月を見て、たわいもない話をする――
そんな時間がとても贅沢に感じられました。
■「胃袋から始まる異文化交流」って、けっこういい。
最初は、「衛生面どうなん?」とか「羊ってクセない?」とか色々思いましたが、
終わってみれば、最高の異文化体験でした。
インドネシアには、ガイドブックには載っていないけど、
ローカルの人しか知らない“とっておきの楽しみ方”がたくさんあります。
今回のサテ体験もその一つ。
「美味しいものを、誰かと一緒に食べる時間」は、言語や文化を超えて、大切なものだなと実感しました。皆さんも是非体験してみてください!
それでは、Sampai jumpa!(またね!)