ベトナムの住宅事情
ベトナムで働く場合、住居には「サービスアパートメント」「コンドミニアム」「ローカルアパートメント」など、さまざまな選択肢があります。
特にホーチミン市やハノイなどの都市部では、外国人向けの物件も多く、日本人が生活しやすいエリアを選ぶこともできます。
ホーチミン市の場合、家賃はエリアや物件の築年数、広さ、家具・家電、プールやジムなどの共用設備、清掃サービスの有無などによって大きく変わります。
単身で海外転職する場合、必ずしも高級コンドミニアムに住む必要はありません。立地や設備にこだわりすぎなければ、月300~500USD程度でも選択肢があります。一方、日本人が多いエリア、駅へのアクセス、プールやジムなどの設備、セキュリティなどを重視すると、800~1,200USD程度が予算の中心になってくるケースがあります。
サービスアパートメント
サービスアパートメントは、家具・家電があらかじめ備え付けられており、ホテルに近い感覚で生活を始められる住宅です。
物件によっては、清掃、リネン交換、インターネット、電気・水道などが家賃に含まれている場合があります。
海外転職で初めてベトナムに住む人にとっては、家具を購入したり、インターネットを契約したりする手間が少なく、入居後すぐに生活を始めやすい点がメリットです。
2026年のホーチミン市では、サービスアパートメントは月500~1,500USD程度を中心に幅広い物件があります。実際には、中心部のコンパクトな部屋であれば500~900USD程度から探せる一方、1区やトゥーティエム、タオディエンなどの人気エリアや、サービス内容の充実した物件では1,000~2,000USDを超えることもあります。現在の掲載物件を見ると、市内のサービスアパートメントは約220~2,300USDまでかなり幅があります。
日本人の現地採用・単身者の場合、月400~600USD程度のサービスアパートメントを一つの予算目安として探してみると、物件の選択肢を比較しやすいと思います。
ただし、「サービスアパート」という名前だけで判断するのはおすすめできません。
例えば、清掃が週何回なのか、電気代が含まれているのか、水道代やインターネット代はどうなのか、洗濯サービスがあるのか、駐車場代が別なのかなど、サービス内容は物件によって異なります。
コンドミニアム
コンドミニアムは、日本でいう分譲マンションに近いタイプの住宅です。
プール、ジム、24時間セキュリティ、共用ラウンジなどの設備が整っている物件も多く、比較的新しく快適な住環境を求める人に向いています。
一方で、同じ建物の中でも部屋ごとにオーナーが異なるため、家具や家電、内装、設備の状態などが大きく異なる場合があります。
2026年のホーチミン市では、1ベッドルームのコンドミニアムは、エリアによっておおむね600~1,500USD程度が目安です。
例えば、7区では600~850USD程度、ビンタインでは700~1,100USD程度、タオディエンでは700~1,150USD程度、1区では900~1,600USD程度の価格帯が確認されています。トゥーティエムなどの高級エリアではさらに高くなる傾向があります。
そのため、「コンドミニアム=月1,000USD以上」と考える必要はありません。エリアや部屋の広さを調整すれば、月600~800USD程度から探すことも可能です。
ローカルアパートメント
ローカルアパートメントは、外国人向けのサービスアパートや高級コンドミニアムと比較すると、設備やサービスがシンプルな物件が多いタイプです。
その分、家賃を抑えやすいことがメリットです。
単身者で「家は寝る場所なので、できるだけ家賃を抑えたい」という人であれば、ローカルアパートメントも選択肢になります。
一方で、建物によって設備や管理状態に差があるため、契約前に実際の部屋を見て確認することが重要です。
特に、エレベーターの有無、セキュリティ、給水設備、エアコン、洗濯機、冷蔵庫、インターネット、周辺の騒音などは、写真だけでは分からないことがあります。
エリアによって家賃は大きく変わる
ホーチミン市では、どのエリアに住むかによって家賃が大きく変わります。
日本人の海外転職先として人気のあるエリアの一つが、旧2区のタオディエン周辺です。外国人向けの飲食店やカフェ、スーパーなどが多く、海外生活に慣れていない人でも生活しやすいエリアです。2026年の掲載データでは、タオディエンの2ベッドルームは平均約1,050USD前後となっており、単身者向けの1ベッドルームならさらに低い価格帯から探すことができます。
1区は、会社や飲食店などへのアクセスを重視する人に向いています。ただし中心部ということもあり、家賃は比較的高めです。1ベッドルームでは500~800USD程度が一つの目安になります。
ビンタインは1区に近く、比較的新しいコンドミニアムも多いエリアです。1ベッドルームで400~1,100USD程度が目安となります。
7区のフーミーフン周辺は、比較的ゆったりした街並みで、外国人や日本人も多く暮らしています。1ベッドルームなら500~850USD程度から探せる物件があり、家賃と住環境のバランスを考えたい人にも選択肢になります。
また、2024年末からホーチミン市のメトロ1号線が運行しており、タオディエンやアンフーにも駅があります。今後は、勤務先だけでなく、駅へのアクセスを考えて住居を選ぶ方法もあります。
住居の探し方
住居を探す方法としては、不動産会社に相談する方法、インターネットやSNSなどで「Room for Rent」「Apartment for Rent」などの物件を自分で探す方法があります。
初めてベトナムで生活する場合は、現地の不動産会社に相談する方法が便利です。
外国人向けの物件を扱っている不動産会社であれば、希望するエリアや予算を伝えることで、複数の物件をまとめて案内してもらえる場合があります。また、契約内容の確認やオーナーとのやり取り、入居後のトラブル対応などを相談できるケースもあります。日本語対応が可能な不動産会社もあります。
不動産会社を利用する場合でも、契約前に「仲介手数料はいくらか」「誰が支払うのか」を確認しておきましょう。
ホーチミン市では、一般的な賃貸契約において仲介手数料をオーナー側が負担し、入居者側の手数料が無料となるケースが多いとされています。ただし、これはすべての取引に当てはまるわけではありません。ベトナムの不動産仲介に関する法律上も、仲介報酬は契約によって定める仕組みとなっているため、入居者側に費用が発生する場合は事前に確認することが重要です。
入居時に必要なお金
住宅を契約するときは、毎月の家賃だけでなく、入居時にまとまった資金が必要になります。
ホーチミン市では、一般的な長期賃貸の場合、デポジット1-2か月分+最初の1か月分の家賃を契約時に支払うケースが一般的です。つまり、月800USDの部屋なら、契約時に2,400USD程度を用意するケースがあります。
そのため、海外転職でベトナムに移住する場合は、引っ越し直後の生活費だけでなく、家賃3か月分程度の初期費用をあらかじめ準備しておくと安心です。
家具・家電は付いている?
ベトナムの外国人向け賃貸物件では、家具・家電付きの部屋が比較的多くあります。
ベッド、ソファ、テーブル、冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、エアコンなどが備え付けられている物件も多く、日本から大型家具を持っていく必要がない点は海外転職者にとって大きなメリットです。
ただし、同じマンションでもオーナーによって内装や家具が異なります。
同じ建物の同じ間取りでも、家具が新しい部屋もあれば、年数が経過している部屋もあります。
そのため、気に入ったマンションが見つかった場合は、「建物が気に入ったから契約する」のではなく、実際に契約する部屋を内見してから決めることが大切です。
特に、エアコンの効き具合、洗濯機・冷蔵庫などの家電、シャワーの水圧、窓からの騒音、日当たり、収納スペース、ベッドやソファの状態などは、実際に確認しておくと安心です。
家賃以外にかかる費用にも注意
住宅を選ぶ際は、表示されている家賃だけで比較しないことが重要です。
物件によっては、家賃とは別に管理費、駐車場代、電気代、水道代、インターネット代などが発生します。
特にコンドミニアムでは、管理費が家賃に含まれている場合と別途請求される場合があります。2026年のホーチミン市では、物件によって管理費が1㎡あたり月16,000~25,000VND程度とされる例もあります。75㎡の部屋なら、月120万~190万VND程度が一つの目安になります。
また、電気代はエアコンの使用量によって大きく変わります。特に暑い時期に長時間エアコンを使用すると、電気代が想定より高くなることがあります。
契約前には、「家賃に含まれているもの」と「別途支払うもの」を一覧にして確認するとよいでしょう。
今回の価格帯は2026年のホーチミン市の掲載情報・市場情報をもとにした目安であり、契約時の実際の賃料を保証するものではありません。