インド転職の前に 〜海外で働くということ〜
みなさん、こんにちは。
RGF Indiaジャパンデスク責任者の森土(もりど)です。
遂に『RGF 海外生活、海外勤務 現地レポート ブログ』がスタートしました。
RGF Indiaにも現在6名の日本人が在籍していますので、それぞれの持ち味を出しながら不定期に更新していきたいと思います。
普段、企業向けの文章を書くことが多い私からは、やや硬めな内容をお届けしていく予定です。
■海外転職前の心構え
最近RGF Indiaでは、インド転職を希望される日本在住の方々向けに、情報交換のためのセミナーも行っています。
実際に私がお話しさせていただく機会も増えてきましたが、インド転職の前に、いつもお話しすることがあるので、こちらでも触れたいと思います。
インドで働くことを考える前に、まず海外で働く前の心構えというか、今一度考えていただきたいことが、
「非常に大きな環境の変化を伴う海外転職が、自分の描く将来像にどう作用するか」
ということです。
■360° 海外生活が与える変化
働くということ、つまり仕事ですが、言うまでもなく仕事は人生の一部分であり、すべてではありません。
人によって、仕事:非仕事が5:5だったり、8:2だったり、3:7だったりします。
日本での転職は、この仕事の部分が変化するだけですが、海外に転職すると生活すべてが海外にどっぷり浸りますので、仕事、非仕事の両方が変化することになります。
日常の景色、付き合う人々、住む場所、食べるもの、すべてが変わるので、それこそ個性や人格まで変わる可能性もあります。
好ましい変化だけでなく、望んでいなかった変化が起きることもあって、私自身、インドに移ってからというもの、声が大きくなったとか、良くしゃべるようになったと言われるようになりました。
これはインドでの仕事や生活に適応した結果で、人に求められずとも、インドで仕事を始めればこういった変化が多かれ少なかれ自然と発生します。
■海外転職のその先は
もし今、あなたが日常に大きな変化を望んでいるのであれば、海外転職はきっと良い機会になるでしょう。
以前に比べて海外転職の門戸は広くなっており、海外転職それ自体は難しいことではありません。
むしろ海外転職した後に悩まないように、一度自身の夢や目標、つまり現在の姿と理想像とのギャップを定義してみてください。
そのうえで、海外転職することでそのギャップがどのくらい埋まるのか、「現在の自分、海外転職後の自分、さらにその先の自分がつながった一本の線をイメージできるかどうか」が重要だと思います。
例えば、
・インドでの就業で英語力と異文化コミュニケーション能力を磨き、数年後に日本へ戻って、これから海外事業に注力したい企業へ転職
・チャンスの多い新興国でビジネススキルを徹底的に鍛え、さらに高い能力を要求される地域や役割にシフト
・その土地の文化や商習慣、マーケットニーズをキャッチして現地起業
など、いくつかの道がイメージできます。
■とはいえ、そこはインド
もちろん、海外転職したことで視界がクリアになり、描いていた理想像が明確になることもあれば、気持ちが変わったりもするので、最初からすべて計画してその通りになるとは限りません。
特にインドにおいて、最初から思い通りになることなんてないと思った方がいいでしょう。インドを経験された方々には共感いただけるかと思います。
ただ、ざっくりとでも数年先までのイメージを描くことで、何となく向かう先が意識できるので、日々の出来事に一喜一憂することは少なくなると思います。
あとは自分を信じ、最後に決断する際には、あれこれ悩まずに勢いをもってチャレンジしていただきたいと思います。
実際に海外、ことインドにいますと、勢いがあって、多少の予定変更やトラブルを笑い飛ばせるような、ダイナミックな方々が活躍している印象です。
以上、今回は主に海外転職の一般的な話になりました。海外転職を検討されている皆様の参考になれば幸いです。
次回からは、本格的にインド転職についてのお話をしていきたいと思います。
森土 卓磨
大学でウルドゥー語(インド公用語の一つ)を専攻。
卒業後、専門商社にて営業・仕入・人事などに従事。南アジアとのビジネスに携わる。
その後、リクルート海外法人RGF HR AGENTに転職、上海支店にて新規開拓業務に従事。
2015年5月 RGFインド支店へ異動。企業、および転職希望者のコンサルティングに従事。
2016年1月より同社ジャパンデスクの責任者を務める。