こんにちは!RGFインドです。
今回はインドにいる間に一度は訪れて頂きたい「黄金寺院」と「世界最大の無料食堂」を紹介します。
インドには宗教的に深い歴史を持つ観光地が多いですが、この黄金寺院と巨大食堂もまさにその代表格です。
Contents
黄金寺院「ハリマンディール・サーヒブ」はどんなお寺?
インドには様々な宗教がありそれぞれの神様を祭る場所がありますが、ここはシク教の中心的な寺院であり、最も神聖な場所とされます。
そして、一部の宗教では他宗教の人が入ることができない場所もありますが、ここはどんな宗教の人にも開放され、湖の真ん中に位置する金色に輝く寺院内には聖典『グル・グラント・サーヒブ』が収納されており、毎日大変多くの人が訪れるとても有名な観光地となっています。
このお寺は1577年に完成しましたが、最初から黄金寺院と呼ばれていたわけではなく、ムガル帝国やアフガニスタンの軍に破壊されるたびに何度も再建されたという歴史を乗り越え、1830年にシク帝国の王様により金箔が張られたことにより、その後黄金寺院として知られるようになったそうです。
その後も金箔が追加され、現在ではなんと約750キロ分の金が使われているということで、寺院は光輝いており、まさに「ゴールデンテンプル」と呼ばれるにふさわしいお寺です!
上記の写真内の頭にターバンを巻き境内の警備をしている方々が、シク教徒の方々です。昔ムガル帝国やイギリスと何度も戦ってきたことがある為屈強な戦士であるとして、インドの中では有名です。シク教徒の男性はとても身体が大きく、個人的に頼りがいがあるお兄さんという風貌の方が多い気がします。
話は変わり、一番上の写真内に水に浸かっている方が見えますでしょうか?このお寺は「アムリタ・サロヴァル(不老不死の池)」と呼ばれる聖なる池の中央にその聖堂が建っているため、お寺を参拝するだけでなくシク教徒の方々はこの方のように、この池の神聖な水に浸かり身を清め、精神的な祝福を求めます。(池はシク教徒の方だけが浸かれるそうです)
この水は地下水路網を通して川から常に水が供給されており、清潔さが保たれています。そして男性だけでなく、女性も水に浸かることができます。女性はこのようなオープンスペースではなく、小さな小屋のような場所が池の一角に立っており、その中で池の水に浸かることができるようになっています。
上記写真の、池の真ん中にある本堂に入るためには、長い列に並ばなければなりません。しかし待っている間、本堂からとても心地よい男性の聖典を唄う声が随時聞こえるので、周りの景色を見、唄を楽しみ、順番が来るのを待つことができます。
入る際のルール
神聖な場所となるため、入る際のルールがあります。必ず守って楽しい観光にしましょう。
①入る前に頭を布で覆う、そして出るまで外さない
頭を覆うことは、シク教において特にグルドワラ(シク教寺院)に入る際に敬意を表す基本的な行為となります。謙虚さを表し、その空間の神聖さを認めることを意味するそうです。
女性は上記のようにスカーフを頭に巻けば大丈夫です。ハンカチで頭を覆える場合はそれでも大丈夫です。何も持っていなければ、寺院前に無料で利用可能なオレンジ色のバンダナが箱に入っているので、それを利用し、利用後は返却します。(沢山の方が繰り返し利用したものなので、見て利用するか決められるのがいいと思います。)お土産として持って帰りたい場合は周辺商店で売っていますので、この無料のスカーフを持っていくのではなく、購入してくださいね。
②靴、靴下を脱ぐ
これはヒンドゥー教寺院も同じですが、靴を脱ぎお寺などに入る際に敬意を表します。
靴は無料で預けることが可能です。
③入る前は足を洗う
寺院の玄関口が既に水場になっているので、そこを通り過ぎる際に足をバシャバシャすれば大丈夫です。
④露出度が高い服を着ない、ひざが隠れる服装をする、男性は長ズボン推奨(ジーンズはダメなようです)
⑤タバコ、お酒などの持ち込みは禁止
⑥本堂の中は撮影禁止
⑦境内では静かにし、礼儀正しく行動する
⑧飲食禁止
上記全て、敬意を表す行為となります。
夜のお寺はライトアップされ、昼とは全く異なった雰囲気となり、とても奇麗です。
お寺に併設される世界最大の無料巨大食堂「グル・カ・ランガル」
この映画の舞台となった場所です。
ヒンドゥー社会の身分制度:カーストは異なるカーストの人とは食事を一緒にしないという掟があるのですが、それとは異なり、シク教の開祖グル・ナーナクは、礼拝後に誰もが同じ部屋で同じ食事をとる制度であるランガル<宗教、カースト、性別、経済的地位、民族に関係なく、すべての人に無料で食事を提供する共同厨房>を500年前に確立させ、現在まで続いています。
アムリトサルの黄金寺院だけではなく、全てのシク教の寺院には必ず共同厨房と食堂があり、誰でも自由に出入りでき無料で食事を食べることができます。かつてムガル帝国のアクバル大帝(最も偉大な王であり融和の象徴として、現在のインドでも人気が高い王様です)もグル・カ・ランガルを訪れ、他の人に紛れ床に座り、同じ食事をしたそうです。
この食堂は1度に5千人もの人々が同時に食事ができる大きな食堂で、1日に10万人以上もの人々に料理を提供するそうで、祝日やお祭りの日は倍になることもあるそうです!ものすごいですね!
では、どのようにそんなに沢山の料理を毎日作ることができるのでしょうか?
この食堂はすべてボランティアの方で運営されており、誰でも希望をすればボランティアとして働くことが可能だそうです。(近くで働く人に声をかけるだけでよいそうです。)日々450名ほどのボランティアの方がいらっしゃるそうです。
そして、食材もすべて寄付となります!
シク教の教えに、
『裕福な』シク教徒は、貧しい隣人の必要に目を向けなければならない。外国からの旅行者や巡礼者に出会ったら、必ず献身的に奉仕しなければならない
とあり、また、パンガット(祭壇)に座り、共通の食事を皆で分かち合うこと、ランガルでの調理や配膳、そして使用済みの食器の洗浄にも参加することは、敬虔な行為とされ、また、神に祈ることや、出家などをして修行をするのではなく、世俗で働くことで幸せになれると考えられている為、たくさんのボランティアの方が積極的に毎日運営を行っていらっしゃいます。
では、どのように食事を頂くのでしょうか?写真が少なくて恐縮ですが、以下のようにご紹介します。
入り口にはたくさんの方々が材料を刻んでいる様子が見えます。
その方たちを横目に中央まで進むと、2階にある食堂につながる階段の前で、食器・コップ・スプーンが順番に渡されます。それを抱え人の流れに沿って上の階に上がると、前の方たちが食べている部屋の前で待つよう促され、そして、食べ終わるころに一斉に出入りが始まり入れ替わり、床に列を作り座ります。
食堂内でもバンダナは外してはいけないそうです。
配膳されるのを待ちます。
お水を配る機械。
ちなみに料理は乳製品とベジタリアン料理のみです。とても素朴な料理で辛くなかったので、辛いのが苦手な方でもおいしく頂くことができると思います。
アムリトサルで他に訪れてほしい場所
ワガボーダーのフラッグセレモニー(国境閉鎖式)
これもとても有名なパキスタンとインドの国境の一部であるアタリ・ワガ国境で行われるセレモニーです。
国境は朝9時から午後3時まで開き、夕方閉門をする前に日中掲げている両国の国旗を降ろし丁寧に畳むのですが、その際にこのセレモニーが行われます。
このセレモニーは、1959年以来、インド(国境警備隊)とパキスタン(パキスタン・レンジャーズ)の治安部隊が共同で行っている毎日の儀式となります。精巧で素早いダンスのような動きと、足をできるだけ高く上げる動作が特徴となり、 両国が共有する兄弟愛とライバル関係を象徴しているということです。 イスラム教の祝日イードとヒンズー教の祝日ディワリの間には、お菓子を交換しているそうですよ!
両国間にはいろいろありますが、将来このセレモニーのような関係になるといいなと思います。
ジャリアーンワーラー庭園
庭園なのでまったりすることが可能ですが、とても悲しい歴史を持った場所となります。
1919年4月13日パンジャーブ州アムリットサルでイギリス植民地下で起きたアムリットサル事件(ジャリアンワーラー・バーグ虐殺)という弾圧事件です。
第一次世界大戦後の当時、イギリス政府は形式だけの自治を認めるインド統治法(英語版)の発布をし、インド人の自由を奪うローラット法という法律を施行したため、インドの人々の反発が高まっている状況でした。そんな中、非武装の老若男女、ヒンズー教徒、シク教徒、イスラム教徒、キリスト教徒様々な1万2千の市民が平和的に集会を開いている場所にイギリス軍の指揮官ダイヤー准将が部隊と共に乗り込んだ後、集会を禁止と見なし解散警告を一切せず兵に発砲を命じ、兵士たちは出口のない庭園に集まった群衆へ向けて約10分間、約1,650発を発砲し続け、1500名以上もの死傷者を出した事件です。この事件はインド全土に衝撃を与え、当時同時期に行われていたガンディーを中心とする独立運動に大きな影響を与え、インド独立運動の転機となりました。
庭園に入るには細い出入り口を通りますが、その通りが当時も同様、唯一の出入り口であり、ダイヤー准将と部隊が通った道となります。中には博物館があり、政治家や事件当時の絵画が展示されています。また、園内の壁には銃痕が数多く見ることができ、当時の悲惨さを物語っています。
興味がある方はぜひ立ち寄ってみてください。
アムリトサルグルメ
クルチャ
もしかしてあなたが利用したことがあるレストランに「アムリトサルクルチャ」や「クルチャ」が売っていたかもしれませんが、本場で食べるものとは全く異なると思って頂いて良いと思います!
写真を見ると、「ただのパンとスープだけか」と思われるかもしれませんが、このパンであるクルチャは窯で焼かれているためカリカリとし、中には野菜の詰め物がされています。出来立てをハフハフを言いながら食べるととてもおいしいです!
また一見スープに見えるものは「チャツネ(wikipediaにはチャツネと表示がありますが、発音はチェットニーという感じです。)」と呼ばれるペースト状の調味料で、クルチャだけでなくパン系の主食全般につけて食べます。
このチェットニーは玉ねぎが主材なのですが、私はこれを2021年にアムリトサルで食べて以来、これお店のクルチャとオニオンチェットニーだけを食べにまた行きたいと思っています。全部で5人のメンバーで行きましたが、一瞬でクルチャとチェットニーがなくなった程、とてもおいしかったです。
是非アムリトサルではいくつかのお店を回り、クルチャとチェットニーを食べ比べてみてくださいね。
アムリトサルラッシー
ラッシーはインド中の都市で飲めますし、果物の味やナッツの味が付いた様々なものがありますが、アムリトサルラッシーはシンプルにプレーン。そしてサラサラではなく、スプーンが刺さるほど濃厚なものです。口の中で少しずつ溶け胃に染みていく感じがしました。
私が飲んだ場所は店内で手作りを常にしており、行列が並んでいた人気店だったそうです。どれほど有名な方たちかは不明ですが、店内にはインド俳優さんの写真も並んでおり、インド人友人がこの店はおいしいとネット上で有名なお店だと言っていました。
是非インドに来られた際にはアムリトサル、そしてアムリトサルグルメをお楽しみください。
また、観光だけでなくインド就職にも興味があるという方は、ぜひ弊社ジャパンデスクまでお気軽にご連絡ください! → jp.hiring@rgf-hragent.asia