こんにちは!RGFインドです。
突然ですが皆さん、西インドにあるプネという都市をご存知でしょうか?
恐らく、多くの日系企業が拠点を置いているデリー、グルガオン、ムンバイ、バンガロール、チェンナイエリアに比べるとその認知度はまだ劣ると思われますが、西インドでは第二の商業都市として急成長を遂げており、IT、製造業を中心にインド企業のみならず、世界各国の企業が進出しております。実際に私自身もプネに住んでおり、日々至る所で開発が進んでいるのを目にしており、プネの加速的な成長ぶりには驚かさせています。今回のブログではそんなプネの魅力について迫ります!
プネについての基本情報
地理的特徴
(参照:http://travelsmaps.com/where-is-pune-india-pune-india-map-map-of-pune-india.html)
プネはマハーラーシュトラ州にあるムンバイに次ぐ第二の都市であり、デカン高原の西部に位置しております。プネの標高は約560メートルで、デカン高原の麓にある為、プネの気候は年間を通して比較的温暖で乾燥しており、インドの他の低地の都市と比べて過ごしやすいと言われています。また、プネから西に離れたインド最大の商業都市ムンバイからは車で約2時間30分~3時間離れており、早朝の渋滞が無い時間帯では2時間ほどでムンバイに行くことが出来ます。
交通アクセス
(参照:http://Pune Metro To Start Operations By Mid-2021 | WhatsHot Pune)
プネはマハーラーシュトラ州内およびインド各地とのアクセスが良好で、鉄道、道路、航空機による交通手段が発達しています。特に近年では都市の交通渋滞の緩和を目的としたプネメトロ開発が活発であり、今後さらなる延伸や新たな路線の拡張が進んでいき、長期的にはプネ全域をカバーすることが目指されています。
また、各駅構内には、エスカレーターやエレベーター、バリアフリー設備が整備されており、電子切符の販売機やQRコードを利用したスマートチケットシステムなどの先進的な技術も導入され、利用者の利便性を高めています。
気候
プネは熱帯湿潤気候とサバナ気候の中間に位置しており、プネの気候は夏(熱季)、モンスーン(雨季)、冬(乾季)の大きく3つの季節に分かれます。
夏(3月末〜5月末):
・この時期はプネで最も暑い時期です。
・日中の最高気温は30℃後半から40℃前半に達しますが、夜は比較的涼しくなります。
・湿度が低いため、他のインドの地域に比べて暑さが和らぐ感じがします。
モンスーン(6月〜10月):
・6月から始まり、10月まで続くモンスーンシーズンは、プネで最も雨が多い時期です。
・月平均降水量は6月から8月にかけてピークに達し、特に7月が最も降水量が多くなります。
・気温は平均25℃前後に下がり、空気が湿っていて、曇りがちな天気が多くなります。
冬(11月〜2月):
・プネの冬は比較的温暖で、気候は非常に快適です。
・日中の平均気温は15℃から20℃前後で、朝晩はもう少し冷え込むことがありますが、極端に寒くなることはありません。
・この季節が最も過ごしやすい時期とされ、観光にも最適です。
言語
プネの主要言語はマラーティー語であり、マラーティー語はマハーラーシュトラ州全体で広く使用されている公用語になります。マラーティー語は他の州の言語に比べ、ヒンディー語に近い言語である為、ほとんどの方がマラティ語とヒンディー語の両方の言語を話すことが出来ます。また、英語教育も他の州に比べ発展している為、日常会話ではマラティ語をメインにヒンディー語と英語を組み合わせて話す方が多いです。
プネと日本の繋がり
プネには、多くの日系企業が進出しており、2023年時点で約150社の日系企業がプネに拠点を置いており、デリー、グルガオン、バンガロール、チェンナイ、ムンバイに次ぐ6番目に日系企業の進出が多い都市となります。特に自動車、製造業、IT、エンジニアリングなどの分野において存在感を示しています。
また、プネに住んでいる日本人の数は200名弱であり、月一のゴルフコンペ、バドミントン部、スポーツ観戦、その他年次のイベントなどで日本人同士で集まる機会があります。
日本語教育はインドトップクラス!
プネはインド国内でデリーに次ぎ2番目にインド人日本語話者の方が多い都市となっております。その理由として大きく以下2つの理由が考えられます。
1. 教育機関と専門学校のサポート
プネには、日本語教育を提供する教育機関や専門学校が多数あります。これら大学や語学学校は日本語を選択科目として提供し、初心者から上級者まで幅広いレベルでの日本語教育を設けています。これらの教育機関は、学生や専門職に対する日本語能力試験(JLPT)の対策も提供しており、日系企業やビジネス界のニーズに応じて、日本語教育を強化しております。また、いくつかの大学は日本から学生を招待したり、日本の大学と交換留学制度を提携している大学も存在し、日本人の学生と直接交流する機会を作ることで、日本の文化への関心がより高まり、日本語学習の促進に繋がっているのではないかと思われる。
2.プネの国際化
プネはインド国内外からの学生や専門家が集まる多文化都市であり、プネは急速に国際化が進んでおり、これに伴い、外国語の習得が都市のグローバル化に対応するために重要視されています。日本語もその一環として学ばれており、国際的なビジネスやコミュニケーション能力を向上させる手段として注目されています。さらに、日印友好協会などの組織が、日本との文化的な交流や日本語関連の活動を活発化し、日本語学習への関心を高めているのも1つの要因だと考えられます。
実は岡山と姉妹都市!?
(参照:http://Pune Okayama Friendship Garden, Pune (2024) – Images, Timings | Holidify)
実はプネは岡山市との姉妹都市であり、プネには岡山市との友好関係を象徴したプネ岡山友好庭園があります。この庭園は2005年に開園され、日本庭園の伝統的なデザインに基づいて作られており、石灯籠、橋、池、枯山水などの要素が取り入れられています。これにより、訪問者インド国内にいても日本の庭園文化を身近に感じることができます。
また、プネと岡山の姉妹都市提携は、1998年に始まりました。この提携の背景には、特に地域振興と国際理解を深める意図がありました。岡山には、もともとインド文化や哲学に関心を持つ人々が多く、またプネも日本文化に興味を持つ層が一定数存在していたため、両都市の関係構築が自然な流れで進んだとされています。
プネのご当地グルメ
ミサル・パヴ (Misal Pav)
(参照:http://Misal Pav Recipe : How to Make Maharashtrian Style Misal Pav at Home – DesiDakaar)
ミサル・パヴは、プネの代表的な朝食メニューです。スパイシーなカレーにパヴ(パン)が添えられた料理で、カレーには豆類やスパイスが豊富に使われています。トッピングとしてフライドオンオンやセビ(細い揚げ麺)を乗せ、レモンを絞って食べます。
バカルワディ (Bakarwadi)
(参照:http://bhakarwadi recipe | how to make maharashtrian bhakarwadi snack (hebbarskitchen.com))
バカルワディはスパイシーで甘みのある揚げ菓子で、プネの有名なお土産になります。スパイスが効いたペーストを詰めた小麦粉生地をロール状にして揚げたもので、カリカリとした食感が特徴です。
プラン・ポリ (Puran Poli)
(参照:https://pragativadi.com/mahashivratri-vrat-special-sabudana-khichdi-recipe/)
サブダナ・キチャディは、断食の日に食べられることが多い、タピオカパールを使った料理です。ピーナッツやジャガイモと一緒に炒められ、レモンジュースとコリアンダーで風味付けされています。
今回ご紹介したプネ料理はどれもマハラシュトラ州の豊かな食文化を体験できるものになりますので、プネを訪れる際は、是非これらのプネ料理を試してみてください!
訪れるべき場所5選
プネは歴史、文化、自然が調和した魅力的な都市で、訪れるべき場所がたくさんあります。以下はプネを訪れる際にぜひ立ち寄りたいおすすめの観光スポットです。
シャンワール・ワーダ (Shaniwar Wada)
(参照:http://Best Things to Do and Places to Visit in Pune by Things2do)
シャンワール・ワーダは、18世紀に建てられた歴史的な要塞で、プネの象徴的なランドマークです。元々はマラータ帝国のペーシュワ(首相)の邸宅でしたが、現在は観光名所として多くの観光客が訪れます。夜にはライトとサウンドショーも開催され、歴史を感じることができます。
アーガー・カーン宮殿 (Aga Khan Palace)
(参照:http://Pune Tour Packages – Pune Tourism 2023)
アーガー・カーン宮殿は、インド独立運動において重要な役割を果たした場所で、ガンジーが一時的に収容された場所としても知られています。宮殿は広大な庭園に囲まれ、美しい建築と歴史的な展示物を見ることができます。
ダグドゥシェート・ハルマンディール (Dagdusheth Halwai Ganpati Temple)
(参照:https://www.istockphoto.com/photos/dagadusheth-halwai-ganapati-temple)
ダグドゥシェート・ハルマンディールは、プネで最も有名なガネーシャ寺院の一つです。毎年ガネーシャ・チャトゥルティの際には、この寺院が大変にぎわいます。神聖な雰囲気の中で祈りを捧げることができます。
シンハガド砦 (Sinhagad Fort)
(参照:https://www.hikeforfunandfitness.com/post/historic-sinhagad-fort-hike)
シンハガド砦は、プネの郊外にある歴史的な要塞で、ハイキングやトレッキングにも最適です。要塞からはプネ市と周囲の自然の絶景が一望できます。歴史愛好者や自然好きにとっては訪れる価値があります。
バルワディ・ハイストリート(Balewadi High Street)
バルワディ・ハイストリートは、新興エリアの1つとして発展しており、特に若い世代や都市型ライフスタイルを楽しむ人々に人気があります。このエリアは、人気のショッピングおよびダイニングエリアで、インド料理、イタリアン、アジアンフュージョンなど、様々な料理を提供するレストランが並んでいます。カフェやバーも多く、友人や家族とゆったりと過ごすのに最適な場所です。また、定期的にライブ音楽やフードフェスティバルなどのイベントが開催され、地元の人々や観光客を楽しませており、常に賑わいを見せるエリアとなっております。
これらのスポットは、プネの多様な魅力を存分に楽しむことができる場所です。観光、歴史、自然、スピリチュアルな体験など、さまざまな興味を持つ方に対応する多彩なアクティビティが揃っていますので、皆さんもプネを訪れる際は、是非足を運んでみて下さい!
まとめ
プネはインドの豊かな歴史と文化、美しい自然、現代的で活気ある都市生活が融合した多様性溢れる町であります。また、日本との繋がりも深い点からプネ在住日本人からも親しまれている町であり、今後のプネの発展と日本との関係に益々注目です!!
皆さん、機会がありましたら、是非一度プネを訪れてみて下さい!