こんにちは!RGFインドです!
突然ですが皆さん、クリケットというスポーツをご存じでしょうか?
恐らく一度は耳にしたことがあると思います。
「インドといえばクリケット」と言っても過言ではありません。インド人にとってクリケットはただのスポーツではなく、生活の一部であり、時には宗教のような存在です。道端で子どもたちがバットとボールを手に遊んでいる姿、テレビの前で熱狂する人々、国を挙げての大きな試合―日本人の私にとって、クリケット文化は驚きと発見の連続です。このブログでは、インドに根強くあるクリケットの魅力とその奥深さについて迫ります!
Contents
クリケットの歴史
(How cricket was Invented ? – Probashir Diganta)
クリケットの魅力を探る上でのまずその歴史から遡ってみましょう。
クリケットは元々イギリスで誕生したスポーツであり、16世紀ごろには既に南イングランドで行われていたとされています。現代のクリケットの原型が発展し始めたのは17世紀後半で、18世紀にはイギリス国内で広く普及し、プロの試合も行われるようになりました。1787年には、ロンドンにあるローズ(Lord’s)クリケットグラウンドでメアリー・ルボーン・クリケットクラブ(MCC)が設立され、クリケットのルール(「ローズ」として知られるルールブック)が確立されました。
19世紀になると、イギリス帝国の拡大とともにクリケットは世界各地に広まり、特にイギリスの植民地で人気を博しました。その結果、オーストラリア、インド、南アフリカ、西インド諸島などでクリケットが普及し、各地で盛んに行われるようになりました。
クリケットは国際試合が行われるスポーツへと発展し、最初の国際試合は1844年にアメリカとカナダの間で行われました。その後、1877年にはイギリスとオーストラリアの間で初めての公式テストマッチが開催され、これが現在の「テストクリケット」の起源とされています。
20世紀には、クリケットの形式にも変化が生じました。特に1970年代には試合が短時間で終わる「ワンデイ(One Day)形式」や、2000年代にはさらに短縮された「T20形式」が登場し、クリケットファン層の拡大に寄与しました。
現在、クリケットは特にイギリス、オーストラリア、インド、パキスタン、スリランカ、バングラデシュ、南アフリカなどで人気があり、インドでは国民的なスポーツとして親しまれています。
ルール
(NCCC News : James Anderson at Trent Bridge in Numbers)
クリケットのルールは複雑ですが、基本的なポイントを説明します。クリケットは2チームで行われ、それぞれ11人の選手がいます。試合の目標は、相手チームよりも多くの得点(ラン)を稼ぐことです。試合形式には、テストマッチ、ワンデイマッチ(ODI)、T20と呼ばれる3つの主要な形式がありますが、基本ルールは共通しています。
ピッチとフィールド
・ピッチ: 試合の中心にある、約22ヤード(約20.12メートル)の長さの細長いエリアです。バッターが立つ「バッティングクリース」と、ボウラーがボールを投げる「ボウリングクリース」があります。
・フィールド: ピッチを囲む円形または楕円形のフィールドで、バウンドリーと呼ばれる外周線があります。この線を越えるとランが追加されます。
ポジション
(https://www.ktv.jp/news/feature/221114-5/)
・バッター: 2人のバッターがピッチの両端に立ち、交代で打ちます。ボウラーのボールを打ち、できるだけ多くのランを稼ぐことが目標です。
・ボウラー: 相手チームのプレイヤーで、バッターに向かってボールを投げます。目標は、バッターをアウトにすることです。
・フィールダー: ボウラー以外のフィールド上の選手が、ボールをキャッチしたりウィケットに投げたりして、バッターをアウトにするサポートを行います。
スコアの獲得方法
・ラン: バッターがボールを打ち、2つのクリース間を走ることで得点します。1回の往復で1ランです。
・バウンドリー: ボールが直接バウンドリーを越えると「6ラン」、バウンドしてからバウンドリーを超えると「4ラン」が与えられます。
・エクストラ: ボウラーのミスなどで、相手チームに加算される追加点です(ノーボールやワイドボールなど)。
ウィケット
・ウィケットはピッチの両端に3本の柱(スタンプ)と2本の横木(ベイル)で構成され、バッターが打ったボールに当たるとアウトになります。ウィケットが倒れることでバッターがアウトになる場合がいくつかあります。
バッターのアウトのパターン
・ボウルド: ボールがバッターをすり抜けてウィケットに当たった場合。
・キャッチアウト: バッターが打ったボールを相手チームのフィールダーが直接キャッチした場合。
・ランアウト: ランを試みた際に、ウィケットにボールが投げ入れられた場合。
・LBW(レッグ・ビフォア・ウィケット): バッターの足がウィケットの前にあり、足に当たったボールがウィケットに当たりそうな場合。
試合形式
1.テストマッチ
・形式: 1試合4イニング(各チームが2回ずつバッティング)で、最大5日間続くこともある長丁場。
・勝利条件: より多くのランを稼いで、相手のイニングをすべてアウトにした場合。
2.ワンデイマッチ(ODI)
・形式: 各チームが1イニングずつで、50オーバー(1オーバーは6球)以内にできるだけ多くのランを稼ぎます。
・勝利条件: より多くのランを稼いだチームが勝利。
3.T20
・形式: 各チームが1イニング、20オーバーまで。
・勝利条件: 試合時間が短く、エンターテインメント性が高い形式です。最も多くのランを獲得したチームが勝利します。
なぜクリケットはインドで大人気なのか?
(ICC World Cup 2023: Indian Fans in Celebratory Mood After Sixth Consecutive Win)
クリケットがインドで絶大な人気を誇る理由は、歴史的背景、文化的な影響力、そして商業的成功が深く関係しています。以下にその主要な理由を解説します。
歴史的背景とイギリス植民地時代の影響
クリケットはイギリスによってインドに伝えられ、植民地時代に普及しました。イギリス人は地元のエリートや学校でクリケットを推奨し、インド人も次第にこのスポーツに魅了されました。クリケットはインドの独立前後を通して続き、インド国民の一体感を高めるスポーツとして浸透していきました。
インド代表チームの国際的な成功
(wallpaperaccess.com)
1983年、インド代表チームがイングランドで行われたクリケット・ワールドカップで初優勝し、国民的な大ブームを巻き起こしました。この勝利は、インド人に誇りとクリケットへの愛着をもたらし、全国的なスポーツとしての地位を確立させました。さらに、2007年のT20ワールドカップや2011年のワールドカップでの優勝は、クリケット人気をさらに加速させました。
IPL(インディアン・プレミアリーグ)の登場
2008年に設立された**インディアン・プレミアリーグ(IPL)は、インド国内におけるクリケット人気の重要な柱です。IPLは短いT20形式で試合が行われ、エンターテインメント性が高く、観戦者の熱狂を生み出しました。スポンサーやテレビ放送、広告が大規模に関与し、IPLはインド国内で最も収益性の高いスポーツイベントの1つとなりました。テレビ視聴率も非常に高く、毎年多くの視聴者を集めています。また、各チームがインドの各地域に根ざしているため、地元ファンがチームを応援しやすい環境を作り、地元意識を活かしたマーケティングも成功しています。
クリケットの文化的な位置づけ
クリケットは単なるスポーツではなく、インド社会に深く根付いた文化的な象徴でもあります。試合は家族での観戦イベントになり、地域社会の人々が一緒に応援することで連帯感が生まれます。クリケット選手たちは国民的なヒーローと見なされ、若者にとって憧れの存在となっています。
オリンピックスポーツへの期待
クリケットは長らくオリンピック競技として採用されていませんでしたが、最近では2028年のロサンゼルスオリンピックで再び競技種目に採用される予定です。このニュースはインド国内でも大きな話題となり、クリケット人気をさらに後押ししています。オリンピックにおいてインドがメダルを獲得する可能性があることは、国民の期待を集め、クリケットの国際的な位置付けを強化することにつながります。
インフラとアクセスの向上
インド国内には多くのクリケットスタジアムや練習施設が整備されており、若者が簡単にクリケットを始められる環境が整っています。また、都市部や農村部でもクリケットを楽しめるような公園やグラウンドがあり、庶民的で親しみやすいスポーツとして根付いています。
クリケットはインドの歴史、文化、経済を象徴するスポーツとなり、IPLや国際大会での活躍によりその地位は不動のものとなっています。また、オリンピックへの復帰もクリケットの人気と認知をさらに高めることでしょう。インドでは今後もクリケットが絶大な支持を受け続けると考えられます。
クリケット大会に参加してみた!
実は先月、私が暮らしているコミュニティでスポーツ大会があり、私もそのスポーツ大会の種目の1つであるクリケットトーナメントに参加しました!
1コミュニティのトーナメントに関わらず、チーム形成のオークション、ユニフォームの作成、試合の実況、外部審判員の動員、専用アプリでのスコア管理など、1コミュニティのスポーツ大会とは思えないほどの気合の入りようで、地元の人たちのクリケット愛、情熱を肌で実感しました!
私がプレーしている姿は残念ながら動画の為、お見せすることは出来ませんが(笑)、野球経験者(約3年間)の私がクリケットをプレーしてみた感想として、バッティングに関しては、野球と違いワンバウンドでバッターの元にボールが来るので、野球経験者であれば、さほど難しくはないと思います。しかし、バッターの後ろにウィケットという3本の棒があり、その棒にボールが当たってしまうと自動的にアウトになってしまう為、もしインコースにあまり良くないボールが来たとしても、体を仰け反らせるのではなく、後ろのウィケットを守る為に、バットを立てにしてブロックショットをしなければならないので、その点に関しては気を付けなければなりません。私もつい野球の癖が出ててインコースのボールに対して体を仰け反らせ、ウィケットアウトになりかけました(笑)。
フィールディングに関しては、グローブではなく、素手でボールをキャッチしなければならず、またフィールドは平らではない為、イレギュラーにバウンドするボールを素手でキャッチするのは、正直、野球経験者の私でも難しかったです。
基本的にルールは簡単で、初心者からでも楽しめるスポーツであるので、皆さんも是非機会があれば、クリケットに挑戦してみてください!
まとめ
日本ではまだあまり馴染みのないクリケットですが、本ブログでも述べたようにインドの歴史、文化、そして経済に深く根付いたスポーツであり、今後もその人気が衰えることはなさそうです。特にIPLの成功やオリンピックへの採用が、インド国内のクリケット熱をさらに高め、次の世代にもこの愛されるスポーツが受け継がれていくことは間違いなしです!