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はじめに
インドは今、世界的に注目を集める急成長中の市場です。特に製造業やIT業界を中心に、日本企業の進出が年々増加しています。僕自身生活しているグルガオンは元々砂漠のような場所でしたが、今ではビジネス街になっておりインドの急成長ぶりが見受けられます。この記事では、インドに進出している日本企業のトレンドと、その背景にある要因を詳細に考察したいと思います。(引用元:2023年7月 在インド日本国大使館、総領事館、ジェトロ日インド進出日系企業リスト https://www.in.emb-japan.go.jp/files/100527273.pdf)
製造業
労働力の豊富さと低コスト
インドは豊富で安価な労働力があるため、製造業にとって非常に魅力的な市場です。特に、自動車産業や電機産業などの労働集約型産業が多く進出している傾向があります。日系企業は、製造コストを抑えつつ高品質な製品を生産することが可能になります。
具体例として、鈴木自動車工業株式会社(現スズキ株式会社)は、1982年にインドのマルチ・ウドヨグと合弁会社「マルチ・スズキ」を設立しました。同社は現地生産を通じてコストを抑えながら、高品質な小型車を提供し、インド市場で圧倒的なシェアを獲得しました。結果として、同社はインドでの雇用を大幅に創出しました。インドでマルチ・スズキを知らない人はいません!
現地需要の増加
インドの中産階級の拡大により、消費財の需要が急増し、自動車や家電製品の需要が高まっており、日本企業にとって大きな市場機会となっています。
具体例として、パナソニック株式会社は、インド市場向けに特化した高温多湿な気候に対応するために、省エネ性能が高く、耐久性のあるエアコンや、停電が頻繁に発生するインドの状況を考慮し、長時間の保冷能力を備えた冷蔵庫などを提供し現地での売り上げを大きく拡大しています。
サプライチェーンの確立
日本企業は品質管理と効率性に優れており、インドに生産拠点を設けることで、アジア全体への供給チェーンを確立することも製造業の進出が多い理由です。これによって、コストを抑えつつ高品質な製品を提供できます。
具体例として、トヨタ自動車株式会社は、インドにおける生産拠点を拡大し、現地での地元サプライヤーとの部品調達と自社工場での組立を行うことで、効率的なサプライチェーンを構築しています。これにより、製造コストを削減し、高品質な車両製造しつつ、アジア全体にアクセスを容易にし、アジア全体での競争力を高めました。
引用:日経ビジネス:https://business.nikkei.com/
iPleaders:Maruti Suzuki : the story behind the merger – iPleaders
パナソニックニュースリリース:https://news.panasonic.com/global
トヨタ自動車株式会社公式サイト:https://global.toyota/en/newsroom/corporate/27611274.html
金融業・保険業
経済成長と中産階級の拡大
インドは過去数十年間で急速な経済成長を遂げており、その結果として中産階級が急激に増加しています。それによって、金融サービスや保険の需要が増加しており、日本の金融機関は、この市場機会を捉えて進出しています。
具体例として、 株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループは、アジアでのプレゼンスを強化し、インドでの事業基盤を構築するために、2014年にインドのICICI銀行と提携し、現地での金融サービス(融資プログラムなど)を提供しています。この提携により、同社は現地の中小企業向けの融資を拡大し、インド市場での存在感を高めました。
金融包摂の進展
インド政府が進める金融包摂政策(経済的に排除されている個人や企業が、適切かつ手頃な銀行口座、クレジット、保険などの金融サービスにアクセスできることを目指す政策)により、銀行口座を持つ人々が増加し、金融サービスの利用が拡大しています。
具体例として、SBI生命保険株式会社は、日本の保険会社である第一生命保険株式会社とインドのSBI(State Bank of India)が合弁で設立した会社です。これにより市場シェアを拡大し、特にインドの地方部の保険普及率に貢献しました。
外資系企業の規制環境の改善
インドは近年、外資系企業の参入を促進するために規制環境が大幅に改善されました。それによって、インド市場への投資機会が拡大し、特に日本の金融機関にとって魅力的な市場となりました。これが日本の金融機関の進出を促進しています。
具体例として、東京海上ホールディングス株式会社は、保険業における外国出資比率の上限が49%から74%に引き上げられたことをきっかけに、インドのタタ・グループとの合弁事業である「タタAIG一般保険」に対する出資比率を増やし、経営への関与を強化しました。これにより、戦略的な意思決定が迅速かつ効果的に行えるようになり、市場シェアの拡大に寄与しました。
引用:MUFG公式サイト:MUFG; Partner Bank Network | MUFG Bank
東京海上ホールディングス株式会社公式サイト:Vol.2 “Initiatives of IFFCO-TOKIO General Insurance in India” for Further Contributions to Local Communities | Action | Tokio Marine Holdings – To Be a Good Company – (tokiomarinehd.com)
SBI生命保険公式サイト:https://www.sbilife.co.in/
卸売業・小売業
消費市場の成長
インドの中産階級の拡大により、消費者向け商品の需要が高まり、日本の小売企業が進出しています。
具体例として、株式会社ユニクロは、2019年にインドで初の店舗を開設し、インド市場でのブランド認知度を高め、売上を拡大しています。
物流の改善
インドの物流インフラの整備が進み、商品の流通が円滑になっています。これにより、小売業の効率が向上し、日本企業の進出を後押ししています。
具体例として、伊藤忠商事株式会社は、インドにおける物流ネットワークの構築に大きな投資を行い、様々な提携先の製品の迅速な配送を実現し、インドでの競争力を高めています。
引用:
株式会社ユニクロ公式サイト:CLOTHING & ACCESSORIES FOR WOMEN, MEN, KIDS & BABIES | UNIQLO INDIA
伊藤忠商事株式会社公式サイト:https://www.itochu.co.jp/en/about/network/asia/index.html
情報通信業
IT技術者の供給地
インドは世界有数のIT技術者供給国であり、多くのソフトウェア開発やITサービスの拠点が設けられています。日本企業もこの技術力を活用するために進出しています。
具体例として、株式会社NTTデータは、インドに大規模な開発センターを設立し、現地のIT技術者を活用してソフトウェア開発やアプリケーション開発、金融サービスなど様々なプロジェクトをグローバルに推進しています。
デジタルトランスフォーメーション
インドの企業がデジタルトランスフォーメーションを進める中で、日本の情報通信技術が求められています。
具体例として、ソフトバンク株式会社は、インドの最大手通信事業者のBharti Airtelとの提携し、5Gサービスの展開に大きく貢献しました。また、低軌道衛星通信プロバイダーであるOneWebにも投資しており、農村部やリモートエリアでの接続性に貢献しています。
IT人材のコストパフォーマンスの高さ
インドのIT人材は、そのコストパフォーマンスの高さから、世界中の企業にとって魅力的なアウトソーシング先となっています。
具体例として、楽天グループ株式会社は、インドに開発拠点を設立し、楽天のeコマースプラットフォームやフィンテックサービスの一部はインドの開発チームよって設計・開発されています。
まとめ
この記事では、インドに進出している日本企業の業界の傾向と、その背景にある要因を分析しました。特に製造業、金融業、情報通信業などの分野での進出が顕著であり、これらの企業が雇用創出に大きく貢献していることが分かりました。
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