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【衝撃の事実】ゼリーの中に“海のミミズ”が入ってる!?福建伝統料理『土笋冻』の正体に迫る

土笋(tǔ sǔn dōng) は、中国福建省、特に厦門(アモイ)地域で古くから愛される伝統的な冷菜です
透明なゼリーの中に「土笋」(沙虫)が封じ込められた見た目をしています。

沙虫の正体とは?
沙虫は、学名を ​「Sipunculus nudus」​ といい、ゴカイの仲間に属する海洋生物です

潮が引いた後の砂浜に生息し、形は太めのミミズのようで、体長は10〜20cmほど。

「海のミミズ」とも呼ばれています​

 

​​沙虫の特徴​​

  1. ゼラチン質が豊富​:体内にコラーゲンとゼラチン質を多く含み、煮込むと自然にゼリー状に固まる特性があります
  2. 栄養価が高い​:タンパク質・カルシウム・鉄分を豊富に含み、中国では「海の健康食品」として珍重されています
  3. 処理が難しい​:砂を吐かせ、内臓を丁寧に取り除く下処理が必要で、手間ひまかかる食材です

​​沙虫は「見た目以上」の食材!​​

見た目は少し衝撃的ですが、食感は貝類(ホッキ貝に近い)に似た歯ごたえで、淡白ながら深いうま味があります

​​味わいと食感​​

 

​​伝統的な作り方​​

  1. 沙虫の下処理​:潮が引いた砂浜で採集した沙虫を、丁寧に内臓を取り除き、繰り返し洗って砂を落とします
  2. 出汁とゼリー化​:沙虫を鶏などの出汁とともに長時間煮込み、ゼラチン成分を抽出します
  3. 冷却成型​:煮込んだものを型に流し、冷蔵庫で一晩冷やし固めます
  4. 仕上げ​:食べる直前に薬味をたっぷりかけて完成! 酢醤油の風味が沙虫の風味を引き立てます

 

​​文化的背景​​

厦門や泉州などの沿海地域では、昔から海産物が豊富で、地元の人々は余すところなく食材を活用する知恵を持っています
土笋冻は、見た目は少し勇気がいるかもしれませんが、そのさっぱりとした食感と深いうま味から、現地では大人気

見た目に反した美味しさがクセになる、福建省の魂料理​です
機会があれば、勇気を出して挑戦してみてください!