土笋冻(tǔ sǔn dōng)
透明なゼリーの中に「土笋」(沙虫)が封じ込められた見た目をしています。
沙虫は、学名を 「Sipunculus nudus」 といい、ゴカイの仲間に属する海洋生物です
潮が引いた後の砂浜に生息し、形は太めのミミズのようで、体長は10〜20cmほど。
「海のミミズ」とも呼ばれています
- ゼラチン質が豊富:体内にコラーゲンとゼラチン質を多く含み、煮込むと自然にゼリー状に固まる特性があります
。 - 栄養価が高い:タンパク質・カルシウム・鉄分を豊富に含み、中国では「海の健康食品」として珍重されています
。 - 処理が難しい:砂を吐かせ、内臓を丁寧に取り除く下処理が必要で、手間ひまかかる食材です
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見た目は少し衝撃的ですが、食感は貝類(ホッキ貝に近い)に似た歯ごたえで、淡白ながら深いうま味があります
- プリプリのゼリー部分:鶏などの出汁がゼラチンで固まったもので、こんにゃくのような食感。淡白ながらも深いうま味が広がります
。 - 土笋の食感:コリコリとした独特の歯ごたえが特徴! 貝類に似た海の風味が感じられます
。 - 薬味のアクセント:黒酢
・醤油・にんにくみじん切り をかけて食べるのが定番。酸味と香りが全体を引き締め、さっぱりとした後味に 。
- 沙虫の下処理:潮が引いた砂浜で採集した沙虫を、丁寧に内臓を取り除き、繰り返し洗って砂を落とします
。 - 出汁とゼリー化:沙虫を鶏などの出汁とともに長時間煮込み、ゼラチン成分を抽出します
。 - 冷却成型:煮込んだものを型に流し、冷蔵庫で一晩冷やし固めます
。 - 仕上げ:食べる直前に薬味をたっぷりかけて完成! 酢醤油の風味が沙虫の風味を引き立てます
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厦門や泉州などの沿海地域では、昔から海産物が豊富で、地元の人々は余すところなく食材を活用する知恵を持っています
土笋冻は、見た目は少し勇気がいるかもしれませんが、そのさっぱりとした食感と深いうま味から、現地では大人気
見た目に反した美味しさがクセになる、福建省の魂料理です
機会があれば、勇気を出して挑戦してみてください!